〈ミャンマー大地震〉日本で祈りと団結の「水かけ祭り」。被災者を思い、歌と踊りを封印して

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現在も現地では、安全な飲料水や十分な食糧が行き渡っておらず、住居もままならない状態が続いている。

「今はとても新年のお祭りを楽しむような状況ではありません。本当に心配しています」

故郷への深い思いを口にし、唇を噛む彼に軍からの助けや援助があるかどうかを尋ねた。

「教会の支援はありますが、軍からの援助はまったくないと聞いています……」

そう語ったあと、どこかあきらめを含んだような笑みを見せた。

軍は地震の直後も被災地を含む各地に90回以上の空爆を行い、国際的な非難を浴びている。国民にとっての未曽有の大災害も彼らにとってはまったく関係ないようだ。

賑わいと支援が交差する会場

苦しい状況の中でも、会場には30以上のブースが並び、本場のミャンマー文化や料理を求めて多くの人が訪れた。

店舗のスタッフたちは活気にあふれ、「収益はすべて地震被災者の支援に充てます。私たちはいつも故郷を思っています」と笑顔で来場者を迎えた。

店での売り上げは被災地への支援になる(撮影:筆者)

ミャンマーの伝統的化粧「タナカ」の体験、おでんや焼きそば、お菓子などミャンマー伝統の料理が並ぶブースには、子どもから大人までが集い、温かい雰囲気の中で食事や会話を楽しんでいた。海浜のため終始強風が吹いていたが、ごみが散乱することもなく、終始和やかで会場内で騒ぐ人もいない。礼儀正しい会場運営も印象的だった。

次ページ水かけ祭りが本格的に再開する日
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事