これまでの私の日常─ステージ4の宣告を受けるまで
早朝5時─。
私はいつものようにひとりベッドからおき出して、寝息をたてる家人をおこさないように作業着に着替えて家を出ます。
2023年の12月にステージ4のがん宣告を受ける前までの私は、季節によってはまだ真っ暗なこの時間に家を出て、近くに借りている畑で汗まみれになりながら畑仕事をしていました。
着古したシャツによれよれのズボンと野球帽、首にまいたタオル。
もともとタヌキ型の体型でしたから、誰が見てもどこから見ても田舎の農夫に見えていたはずです。自分でもそれでいいと思っていました。
畑の傍らに置いたママチャリに下げた袋には、ペットボトルが約10本。畑には水道がきていないので、家から重い水を持ってこないといけないのです。
快適な畑仕事にあって、唯一これだけが私の重労働でした。




















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