SNSで「本当の人脈」は到底作れない! 磨くべきは、"編集力"

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「人脈とは、自分のことが何らかの形で相手の記憶にインプットされて、いざという時に想起してもらえる関係。ところが、『私はこんなに頑張っているのだから、だれかが必ず声を掛けてくれる』と思っている人が圧倒的に多い。待っているだけでは、活躍の機会獲得につながる人脈には絶対になりません」

タグ付けで自分をPR

プロノバ社長 岡島悦子さん(49) 経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロ。「日本に“経営のプロ”を増やす」ことをミッションに、育つ機会を創出し続けている(撮影/羽根田真智)

キャリアアップのためには、OJT(日常業務による従業員教育)や勉強会、ビジネススクールで学ぶなどといった能力開発と同時に「機会開発」が不可欠だ。だが、能力開発には熱心でも、機会開発に目が向いていない人が多いという。

異業種交流会などで、「◯◯会社に勤めています」「広報を担当しています」と自分ではPRしているつもりになる。だが、名刺を配っただけでは覚えてもらえない。岡島さんは、想起につながる「タグ」付けをしなくてはならないと指摘する。

「そのためには相手の“購買支援”を念頭に置く必要があります。自分が何をできるかではなく、相手にとってどう役に立てるかが重要です」

たとえば「英語を話せる」だけでは不十分。英語で何ができ、相手に対しどんな利益を生み出せるのか? 「英語での交渉に強い」「データ解析が得意」「社会起業家のネットワークがある」といった「タグ」がいくつもあれば、掛け合わせることで自分の大きなPRになる。

「自分のタグは何かを考え、相手の記憶に植え付けなくては」

あるとき、岡島さんは大手塾チェーンの経営者を探している人から相談を受けた。推薦したのは、教育関係とは全く無縁の男性だった。彼の経営能力の高さに加え、学生時代に教育への高い関心を持っていて、専門知識を身につけるための研究もしていたことに着目した。本人も忘れていたことだったが、彼が提示していた複数のタグが、岡島さんの記憶に残っていたのだ。

リーダーの多くは、自分が成長したきっかけを「“想定外の機会(セレンディピティ)”が舞い込み、ひと皮むける経験をしたこと」と話すという。

「planned happenstance(計画された偶発性)とも呼ばれますが、人脈とはセレンディピティを呼び込むものであり、そのための機会開発は可能なのです」(岡島さん)

(ライター:羽根田真智)

※AERA 2015年10月12日号

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