「すき家と違って、焼き肉きんぐは客も悪いよね?」不祥事も、擁護意見が出た《焼き肉きんぐ》と一時休業になった《すき家》、何が違った?
ハラスメントに代表される「かつてはOKだった/見逃されていたこと」が、時代と環境の変化によってもはや「ダメなこと」になっているという認識のアップデートは、危機対応において欠かせない感覚です。
フジテレビ問題は、正に旧来の感覚を変えられなかった経営陣による、巨大メディア企業の存亡にかかわる大不祥事だと思います。
アップデートできた「焼き肉きんぐ」と「コスモス」
いま勢いのある焼き肉チェーンの1つ、「焼肉きんぐ」でも炎上騒ぎがありました。
愛知県の店舗で、3月に泥酔した客が店内で嘔吐していたのに、店はそれを放置。それをそばで目撃し、不快な思いをしたという別の客にろくな対応をしなかったことが、SNSで発信され、ネットニュースにも話題が拡散してしまいました。
事件の3日後、焼き肉きんぐを運営する株式会社物語コーポレーションは、リリースで経緯の説明と謝罪を発表しました。詳しい経緯を説明しただけでなく、全面的に店の対応の非を認める、よくできたリリースだと思います。

SNS上では、タイトルが「SNS上の投稿に関する当社の対応について」となっていたことについて、「SNSの投稿ではなく、店舗のトラブルが問題なんでしょ」といった批判もありましたが、その後、延焼もなく、事件は沈静化したと見られます。
また、今年4月1日、大阪にあるドラッグストア「コスモス」の店舗では、隣接敷地内にあるラーメン店に来た客が、両店の共用駐車場に車を停めていたところ、コスモスの店員により「無断駐車なので1万円を支払ってください」という旨の警告書を貼り付けられるという出来事がありました。
この客が、「どうみても共用の駐車場にしか見えない」とSNSに投稿したところ、これが炎上。「共用でなければ分かりにくい看板だ」「1万円の請求は高すぎる」といった批判が多数投稿される事態となりました。
結局、この駐車場はラーメン店との共有のものであり、それを知らなかったコスモススタッフのミスだったとわかり、運営会社の株式会社コスモス薬品は4月4日付で、謝罪と経緯説明を公表しました。
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