「発達障害の子ども」に自信をつけさせるために…【小さな成功体験】を積み重ねるための"ちょっとした工夫"

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「今、子どもがストレスを増やしすぎないために、必要だ」と判断したやり方を選んでもいい状況だってあります。子どもと向き合っている自分や家族を、たくさん褒めましょう。

「マナー」と「特性」の折り合いは、どうつける?

社会で生きていく上で例えば、マナーを守ることは大切なルールの1つです。保護者や子どもの預け先では、どのような子どもに対しても「お店の中では騒がないでおこうね」といった基本的なマナーの説明をしていると思います。また、1度きりではなく、繰り返し伝えることも既にやっていることでしょう。

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ですが子どもに感覚の過敏さという特性があると、大多数の人がやり過ごしていて何とも思っていないような刺激を強く受け取ります。

そのような環境や、子どもにとって不慣れな状況は、頭ではマナーを理解していても落ち着くことができなかったり、マナーに反した行動となってあらわれたりすることがあります。

特性に合わない環境(刺激)の例としては、次のものが挙げられます。

・ スーパーマーケット:人が多かったりさまざまな商品が並べられていたり、普段の暮らしよりも視覚的な刺激が強く、落ち着きをなくすことがあります。

・ レストラン:普段とは違う雰囲気や周囲の人の視線で緊張したり、慣れない場所の匂いに耐えられなかったりといった過敏さがあると、行動が不安定になることがあります。

基本的なしつけ(マナーの説明など)をすることや、目立つ特性をカバーできるようにアイテムを使うといった努力があったとしても、社会環境のほうに「その子に合わないもの」が含まれていたら、高い「マナー守れる度」を目指すことには無理があります。

先にマナーの型に子どもを押し付けるのではなく、まずは子ども自身のストレスを減らす工夫やその場所で楽しく過ごせる工夫をして、結果として穏やかに行動ができた(=マナーにも沿っていた)、という道筋が望ましいと考えられます。

桃川 あいこ 図書館情報学学士

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ももかわ あいこ / Aiko Momokawa

1975年生まれ。茨城県筑波研究学園都市育ち。子ども時代は書店の絵本、学校図書館の本を読みつくす。図書館情報大学(現・筑波大学)卒業。大学では情報検索概論、ネットリテラシーを研究。日本アイ・ビー・エム入社後は、ソフトウェアのQ&Aまとめ文書をノルマの10倍執筆。このように多くの書物や資料を読み込み、整理する経験を多く積んできた。

2004年、発達障害の子どもが生まれたことを契機に退職。インターネット黎明期からブログを構築。以降ずっとネットテクノロジーを観察し、発信を続けている。20年にわたり、我が子に起きている問題について、地域の支援施設・ネット・書籍・学術論文など様々なチャネルで情報収集をしている。

「自分が困って調べぬいたことは、必ず同じように悩む人が存在する」をモットーに、発達障害児との暮らしや、ケアにまつわる書籍紹介、「(子どもがうつから目覚ましく回復した)栄養療法を活用した食事内容」などを発信。

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