中学受験は「重課金勢ほど強い」は大間違い!わが子の成績を伸ばすために親が意識すべき「3つの注意点」

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注意点① 塾との「ミスマッチ」が生む重課金

多くの親御さんが悩むのは「どの塾が、わが子に合っているか」という問題です。学力レベルや学習ペースがその子に合わない塾に通わせると、塾での授業だけでは追いつかず、結局、家庭教師や個別指導といった追加のサポートが必要になることがあります。

最初は「わが子に合う塾はどこか?」と考えていたはずが、いつの間にか「わが家の目標に合う塾はどこか?」に考えがすり替わってしまうご家庭があります。「わが子はどんな子か」という意識が抜け落ちてしまうのです。そして、子どもの能力にミスマッチな、ハイペースで進む塾に入れてしまうのです。

もちろん「ハイペースで進む塾に頑張ってついていかせれば子どもの成績が上がるから、そのほうが良い。そのためなら重課金でもする」と考えるご家庭もあります。確かに、頑張ればついていけるのであれば、それも良いでしょう。しかし現実には、「重課金しても、どうやってもついていけない」子も多いのです。「課金すれば何とかなるはず……」と期待するのは、重課金による不幸な未来につながるので気をつけたいものです。このようなミスマッチによる追加投資は、最初からお子さんに合った塾を選んでいれば避けられます。

家庭教師や個別指導の活用でどうにかなる家庭の多くは、家庭のサポート力に課題があった場合です。例えば、フォローが少ないSAPIXなどの塾に通い、ご両親は共働きでわが子をフォローできず、本人も自己管理が苦手、という場合は、子どもの地頭が良くても学力が停滞しがちです。

このような場合であれば、家庭教師や個別指導などを活用し、スケジュール管理を手伝ったり、授業で理解できなかったところを必要に応じて教えてあげたりすることで成績が向上し、塾のカリキュラムについていけるようになることはあります。

基礎学力が不足している子に難しい授業は無意味

一方、計算力や読解力、仮説思考力、語彙力といった基礎学力が不足している場合は、いくら課金しても期待する成果が得られないことが多いです。なぜならその子は、そもそも塾の授業内容を十分に理解できていないため、その時間の中で得られる成長がほとんどないからです。

この場合、家庭教師が教えてくれる身の丈に合った内容だけが実際の成長部分となり、塾に払っている授業料はほぼ無駄になってしまうリスクがあります。

それであれば、最初から家庭教師のみを利用するか、子どもが理解して吸収できるレベルの授業をしてくれる塾に通わせたほうが、授業料に対して得られる価値が大きくなります。基礎学力が不足している状態で難しい授業を受けさせることは、お金を払ったにもかかわらず、授業料に対して十分な成果が得られない危険性を高めます。

このような状況が続くと親御さんの期待が外れ、結果的に焦りを感じることが多くなります。その焦りが、最終的には子どもに対する苛立ちや怒りとなり、家族関係の悪化や子どものモチベーションの低下につながることが少なくありません。また、焦りや苛立ちから、さらに追加のサポートやオプション講座に課金してしまい、課金がエスカレートしてしまうケースもあり、これは負のスパイラルを生むリスクがあります。

お子さんの基礎学力がしっかりしていない段階で、ハイレベルな塾や難易度の高い授業に課金しすぎるのは効果的ではありません。今のお子さんのレベルに合った指導を提供する塾や家庭教師を選ぶことで、授業料に対する効果を最大化することができます。無駄な課金を避け、ストレスのない受験勉強を親子で進めるためにも、基礎学力の確認とマッチングが重要です。

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