19時完全退社の悲劇!夜は何をすればいいか 新入社員の悩み「ハードワークしたいのに…」

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確かに私自身は、学歴での遅れを取り戻すという意味でも、かなりの時間を仕事上の自己投資に充てていました。それは間違いありません。しかし、時間の多寡ではなく「自分自身が成長できることに時間を費やす」という点が重要でした。

たまたま私の場合は創業間もないベンチャーのため、仕事と仕事に関した学びは底なし沼状態でしたが、一方で同時に仕事以外からもたくさん学んでいました。

つまり仕事が自己流になりがちなベンチャーでの経験を補う意味で、資格取得するなど、ということです。実際に、仕事に役に立つと判断した会計や財務系の海外の資格を、上場作業をしている前後で3つほど取得しています。

仕事以外でも成長できる場面はたくさんある

仕事をしている時間だけが自分が成長できる時間ではない、ということです。

実は多くの社会人が勘違いをしていることなのですが、仕事は学校と違い、会社が与えてくれるタスクをこなしていれば、それで評価をされるというものではありません。

もっと言えば会社にいる時間や、仕事をしている時間だけ仕事にかかわっていればよい、というわけではありませんし、そのように限定をする必要もありません。

仕事から離れた時間で、どの程度の時間を仕事関係に費やすかは個々人の問題としても、業務に関係する本を読んだり、セミナーに参加したり、資格取得を目指したり、といった学びの方法もあります。法人営業とのことですので、異業種がどういった営業をしているのか、そんなことを調べる人も多い職種です。

何も社外だけでなく、その辺にフラフラしている社内の先輩や役員を捕まえて業務外で教えを乞う、というのももちろんアリです。拙著『下剋上転職』のテーマでもありますが、私たちがひとりの労働者として考えるべきは、現在、所属する会社なり組織なり「のみ」で仕事ができる人や評価される人を目指すべきではなく、どんな状況になっても自分の身を守る手段をひとつでも多く有するべく、労働市場というより広い世界においてどれだけ使える人になるかということなのです。

したがって、会社から学ぶことや業務を通じて学ぶことだけがすべてであるというスタンスでは、やはり厳しいのだと思います。

すばらしい制度だと冒頭に申し上げましたが、ネット系企業にお勤めとのことですから、動きの速い業界において会社が制度として従業員にすべての知識や最先端の事例などを提供することは困難である、したがって個々がそれぞれ業務を通じて大事だと思うことを学ぶべし、ということなのだと私は受け取ります。

逆に言えば、現在、お勤めの会社においてどの程度評価されうるか、そして将来の転職可能性がどの程度広がるかは、きたろうさん自身にかかっています。

次ページ会社での学びだけでは不十分?
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