1円で8LDKの不動産を買った男が教える「地方の格安空き家」を「優良物件」に変える方法
1つ目は、不動産情報サイトの活用です。検索すると全国各地の格安物件を見つけることができます。なお、候補物件が必ずしも1円レベルで売られているわけではありません。数百万円の家も当然ながらありますが、その際は不動産業者と値引き交渉をするのも手です。自分から「〇〇円なら買える」と指し値をすると、応じてもらえることがあります。
2つ目は、時間・手間はかかりますが、気になる地域に足を運び、地場の不動産会社に相談する。気になる家を見つけたら自治会長や近隣の人に持ち主は誰か、買うことができるかといったことを尋ねることです。空き家が増えており防犯や景観の面で課題を抱えている地域なら、親切に答えてくれます。
現地に行くことでネットワークができると、電話やメールで最新の情報を聞けるようになり、先に挙げた福岡県の事例のように相談を持ち掛けられることもあります。
3つ目は、全国各地の「無償譲渡物件」を探す方法です。日本の人口はすでに減少し始め、高齢者が子どもと同居したり、介護施設などに入居したりすると、それまで住んでいた家は空き家になります。また、高齢者が亡くなり親族が相続した実家が空き家になるケースも増加しています。
こうした状況を受け、全国の自治体は土地・建物を0円で譲渡するためのプラットフォーム「空き家バンク」の運営に取り組み始め、インターネットで買い手を探したり、定住化を目指した説明会を開催したりするケースもあるようです。
地元の不動産会社と良好な関係を築く
私の場合、地元の不動産会社との関係構築に努めています。欲しい物件が見つかったとしても、その先には価格交渉や購入手続きが待ち構えています。個人でできないことはありませんが、地元の不動産会社に依頼して仲介してもらうのが無難です。また賃貸物件の入居者が家を買いたいというケースもあり、このときも不動産会社に仲介をお願いしています。
これにより、少ないとはいえ仲介手数料が不動産会社にもたらされ、縁が深くなるのです。私の経験では、物件購入を機に知り合いになった不動産会社が、次の物件を安く紹介してくれたということが何度もあります。
また、家を賃貸に出すと不定期で住民が入れ替わる可能性があり、入居者募集や日々の対応、修繕などの手間が生じますが、全国に数百件ある家を私が管理するのは不可能です。家の管理は地元の不動産会社に依頼しておくと安心です。毎月の管理手数料も支払うので安い仲介手数料の穴埋めになり、良好な関係づくりにも影響します。
こういった関係構築が功を奏したのが、昨年12月に愛知県内で購入した、築7年の戸建てです。当初の売値はそれなりの価格でしたが、不動産会社が「これくらいの値引きであれば売主さんが応じてくれそうです」と言ってくれ、相場より格安で購入することができました。前の持ち主は地域の地主でしたが、親族間のトラブルで急に売り出す必要があり、安値でも手放したかったようです。
空き家とは異なりますが、こういった事情に精通しているのは地元の不動産会社ならではのこと。購入後に入居者募集をお願いしたらすぐに決まり、利回りも10%を超える優良物件として稼働しています。
(構成:大正谷成晴)
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