「正解は死ぬこと」口コミで《Z世代》の人生相談に乗り続けてきた副住職が、若者に返す言葉の深い意味とは?
「自分のことで精一杯だった人が、視野が広がって気持ちも前向きになる。たとえ別の問題で悩んだとしても、自分で悩みを解消できるようになる人もいます」(太田氏)

大切なのは悩み方
誰かに人生相談をするときは、その人の経験や知識に基づいてアドバイスされることが多いだろう。一方で、太田氏は相談内容へのアドバイスはほとんどせず、悩み方が大切だと語る。
「以前、隠岐島前高校の男子寮のハウスマスター(寮の管理人)をしていたときも、高校生から『答えを教えてくれない』とよく言われました。でも大切なのは悩み方で、そこにアドバイスするだけです」と太田氏。
たとえば進路で医者になるか音楽家になるか悩んでいる生徒がいたとする。こちらがどちらになるべきか決めるわけにはいかない。本人が、同じように悩んで医者や音楽家になった人の実例を調べればいい。単になり方が分からないなら専門家やAIに聞けばいい。決めるのは自分だが、決めるためにどう悩むか、悩み方は周りからヒントを得られるのだ。

「どれだけ情報を集めても、決断するのは結局のところ本人です。そして、どんな決断をしてもすべて正解です。失敗はないから自由にやっていいんです」(太田氏)
一方で、やる気が出ない、やりたいことがないと無気力に悩む若者も多い。無気力でも問題ないと太田氏は言う。とはいえ、周りがやる気を出してほしい場合はどうするか。たとえば、やる気のない部下に困惑する上司もいる。
「極論ですが、部下にやる気がないならクビにすればいいわけです。もちろん、そんな簡単にはできませんが(笑)
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