「正解は死ぬこと」口コミで《Z世代》の人生相談に乗り続けてきた副住職が、若者に返す言葉の深い意味とは?

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「性別が同じ。似た経験をしている。共通の土台はさまざまですが、今回は極端な例で話を進めますね。実は、たった一つだけどんな人の人生にも共通していることがあるんですが、何か分かりますか? ヒントは全人類がたった一つだけ『しなければならないこと』です」(太田氏)

生き方は自由だから縛られるな

正解は死ぬことです。全人類一人残さず、死ななければなりません」と太田氏。

なんとも驚きの答えである。確かにその通りではあるが、全人類が共通する「死」を意識することで、悩みへの意識はどう変わるのだろうか。

この答えには、「死ぬこと以外は自由だから、あなたがやりたいことで人生を埋めた方がいいのでは?」と相談者の縛りを取り除き、意思を引き出す意図がある。

悩んでいる人は、本来なら選択肢は無限にあるにもかかわらず「大学は卒業しなければ」、「親の期待に応えなければ」と勝手に決めつけていることが多い。自分が生きてきた環境や知識、常識に合わせた悩み方しかできなくなる。しかも、縛られていることにすら本人は気づいていない。

だが人生ですべての人がしなければならないことは一つだけ「死ぬこと」。逆に言えばそれ以外の「人生は自由なんだ」と認識するだけで視界が開ける。どう生きたいのかを考えて何も決められないなら、どう死にたいのかを考えることも推奨される。

極論のように思えるが、かえってこれで気が楽になる人も多いのかもしれない。あれこれ悩んだって、ぐるぐる考え込んだって、人間はみんないつか死ぬ。

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