あなたは妻に「子育て」を強いていませんか 夫だって子どもと過ごす時間を優先できる

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コータ君が保育園児の時代も、17時に迎えに行った後に公園で遊んだり映画を観に行ったりということをよくしていた川井さん。平日なのに週末のような過ごし方をすることが好きなのだという。

「うちでは、ママが『安全担当大臣』、パパが『冒険担当大臣』なんです。ママはなるべく毎日の生活のリズムを守りたいという考えだから、ママといるときは家でゆっくりするのもいいと思う。パパと過ごすときは、保育園や学校の後にもうひとコマ別の活動を入れて、週末みたいな非日常的な時間を過ごすようにしています。その方が、子どもの記憶にも残るでしょう?」(川井さん)

仕事のペースを落とせるのは自信があるから

川井さんが、仕事の時間を調整してでも子どもと過ごす時間を大切にしているのは、「子どもの成長によって、親子のライフスタイルはどんどん変わっていくもの」という考えがあるからだ。

「40歳近くになってから子どもができたので、仕事も子育ても目の前のことにせいいっぱいな若いパパママよりは、客観的に見られているのかもしれません。子どもとの時間は常にカウントダウンモードで、親と一緒に遊んでくれるのなんてあと何年かしかない。そう思うと、今の状況がすでにセピア色に見えてくるんですよ(笑)。子どもがもう少し大きくなれば、僕らが家にいなくても自分で鍵をあけて帰ってこられるようになるから、今のライフスタイルだってここ1年くらいのことだな、と考えています」(川井さん)

川井さんが子どもとの時間を優先できるのは、仕事のペースを落とすことに対する不安が少ないということもある。フリーランス的な働き方ゆえの不安定さもあるが、「子どもが大きくなれば、仕事はいくらでも入れられる」という言葉からは、独立後10年以上自分で仕事を開拓してきたという自信もかいま見える。さらに、妻が会社員として安定的な職業についているという安心感も大きい。

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学童に行くか、家にすぐ帰るのか、連絡帳に書いて学校に連絡するほか、帽子に付けるリボンの色でわかるようにしている

「僕がこういうライフスタイルを送っていると言うと、『それは川井さんが会社に雇われてないからできるんでしょ』という反応をされることはしょっちゅうです」と川井さん。確かにそれは否定できないが、「子どもの成長は待ったなし」であることは、どんな親にとっても変わらない。

会社員であっても、もし父親の方に「売り手市場」で勝負できるようなキャリアやスキルがあるなら、子育て期の一時期は勤務時間を短くできるような職場に転職するといったこともできるだろう。そうでなくても、子どもとの時間を作るために少しでも工夫の余地がないか、考えてみる価値はある。

ひとくちに共働きといっても、夫婦がそれぞれどのような働き方をするのか、その組み合わせは千差万別のはずだ。それにもかかわらず、子育てのためとなると女性の方が仕事を調整することが多いという現在の状況は、もっと柔軟な方向に変わってよいのではないだろうか。

やつづか えり フリーランスライター、編集者

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Eri Yatsdsuka

コクヨ、ベネッセコーポレーションに勤務後、2010年にフリーランスに。 2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブメディア『My Desk and Team』開始。 女性の働き方提案メディア『くらしと仕事』の初代編集長(〜2018年3月)を務め、現在はYahoo!ニュース(個人)他で働き方、組織などをテーマに執筆中。 1児の母。

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