飽きずに長続き!「出張ランニング」のススメ "キツイ"の一歩手前で止めるのがコツ

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「まずは、形から入ることをお勧めします。ご自身に合ったランニングシューズとランニング用の靴下を出張先に持参して、早朝に30分ほど歩くことから始めてみてください。見知らぬ土地の景色を見ながら歩いていると、『こんなところに名跡があったのか』といった新たな発見もあります」(同)

軽く歩くだけでも、筋肉が動くことで血流がよくなって全身へ酸素が行き渡り、前日の出張業務でたまった疲労物質が抜けていくという。歩き始めて身体の調子が良くなったら、ゆっくり走ってみる。このようなことを繰り返すうちに、自然に軽いジョギングができるようになるそうだ。

「初心者の方は、気ままに歩いて朝の空気を吸って、30分程度でホテルに戻るようにすると良いでしょう。郊外に出張へ行かれる方は、自然の景色を見ることでパソコンなどによって疲れた目も癒されます。心もリセットされ、前向きな気持ちを後押ししてくれると思います」(同)

走り過ぎないためには、距離より時間を決めること

爽快感はジョギングの魅力の一つ。初心者も、気持ち良く走っているとつい「もう少し先まで行きたい」との欲求が沸き起こってくるはずだ。ただし、そこには落とし穴も待ち受ける。

「ランニングを始めると、走る喜びからつい身体へ過度の負荷をかけがちです。筋肉は酸素を使って動いていますが、負荷がかかりすぎると、酸素を使わない嫌気(けんき)性代謝になり、疲労物質の乳酸がたまることで筋肉痛や疲労感を強く感じやすくなります。膝や腰にも負担がかかり、結果としてジョギングを止めてしまう人は珍しくありません」(同)

走っていると、仕事の悩みなどは頭の中から消え去る。「走る」ことに集中するためストレス解消になる仕組みだが、身体の調子を崩して業務に支障が出るようでは意味がない。「キツイ」と感じる手前で止めるのが出張ランニングのコツだ。

「走り過ぎないように、30分もしくは1時間と、走る距離よりも時間を決める方が良いと思います。ホテルに帰ってシャワーを浴び、着替えて朝食を食べると頭は冴え、やる気も起こってきます」(同)

同じ場所への出張が多いときには、いつも同じコースを走るのではなく、コースを変える、あるいは、コースを少し長くするなど、工夫をすることで出張ランニングはより一層楽しくなるそうだ。

「初めて走るコースには心が躍ります。出張のときには、会食などで食事量が増えてカロリーオーバーにもなりがちです。ご自身の体調に合わせて、歩く、軽く走ることで、減量だけでなく健康につながります。無理のない範囲で、出張ランニングを活用していただきたい」と外氏。今度の出張に、走る楽しみを加えてはいかが。

安達 純子 医療ジャーナリスト

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あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

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