【20歳台前半で持つのが普通に!】もはや保有はステータスではない、各社注力の「ゴールドカード」は“実利優先”の新時代に

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さらにユニークなのは、カード保有者がメルカリで出品し販売した金額も、カードの年間利用額に含めるとした点だろう。従来のカード利用実績と言えば、「買った」金額のみを指していたが、「売った」金額も合計するというのが斬新だ。「メルカード ゴールド」では年間利用実績に応じて、通常還元率1%に加えて2500~2万ポイントのボーナスポイントがもらえることになっている。

その実績に「売った」を加えていいとなれば、売買を日常的に繰り返すヘビーユーザーにとっては朗報だろう。……いや、逆だ。このカードを選んだユーザーは、これまで以上にメルカリでの売買を増やそうとするはずだ。ちなみに、ゴールドカードの年間利用金額(販売含む)50万円以上で翌年度の年会費5000円が無料になる。やはり「持たせてしまえばこっちのもの」理論に見事にあてはまるのではないか。

ゴールドカード×経済圏

いわゆるポイント経済圏のカードも、当然ゴールドカードをアピールしている。「PayPayカード ゴールド」(年会費1万1000円)は、ソフトバンクおよびワイモバイルのスマホ通信料等のポイント還元率が破格の10%だ。また、Yahoo!ショッピングやLOHACOの買い物がいつでも+2%になる「LYPプレミアム」特典の対象でもある。

「au PAY ゴールドカード」(年会費1万1000円)も、auとUQ mobileの携帯料金を支払いに使えば、ゴールド特典を加えて10%ポイント還元となるほか、au PAYへのオートチャージ設定、ゴールドカードの支払い先をauじぶん銀行に設定するなどで、還元率をどんどん上げられる。「楽天ゴールドカード」(年会費2200円)は、楽天市場でのポイントアップに加え、楽天証券でのクレカ積立の還元率や楽天銀行での預金金利が上がる。

あえて年会費を設定することで、元を取るために経済圏での利用を増やし、特典を使い倒そうという動機付けにもなるだろう。支払う金額が増えれば増えるほど、もらえるポイントが多くなるのが、「還元率」という構造なのだから。

原点に返れば、ゴールドカードとはたくさんお金を使ってくれる優良顧客だけが持てるカードだった。招待制は廃れたが、その本質は変わっていないのかもしれない。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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