「駐車するためにわざわざ高速へ…」トラック運転手たちを心底悩ませる“長時間労働”より深刻な問題
このプロジェクトに駐車場を提供しているのが、パチンコホールを展開するダイナムだ。
同社は沖縄県以外の都道府県に392店舗を展開している業界最大手だが、今回の実証実験に参加することについて店舗開発部長、白畑嘉明氏は「物流は社会のインフラ。2024年問題でトラックドライバーたちが大変なことは聞いていました」としたうえで、駐車場の提供によって問題解決に協力したいと語る。
一方、実証実験に参加している永井運送の配車担当、中津滉一氏は、ドライバーの多くが待機所不足に対するストレスを抱えていると説明した上で、今回の実験の意義についてこう語る。
「弊社のドライバーの多くはコンビニの駐車場で待機していることが多い。しかし、これらの場所はつねに満車状態のため、長距離輸送のドライバーを待機や荷待ちのためにわざわざ高速道路に乗せ、SAPAで待機させることも。その点、荷主近くのエリアで待機できる場所が確保される安心感は計り知れません」

会社としても、止める場所を探し回る際にかかる燃料代や高速代が浮くだけでなく、どこにトラックがいるか把握できているため運行管理もしやすい。
「帰り荷」の待機にも利用できる
ホールの駐車場は「帰り荷」待ちにも利用できる。多くのトラックは、積んだ荷物を荷主先で降ろしたあと、地元に帰ってくる際に積んでこられる荷物が見つかるまで待機する。
例えば、高速道路のSAPAなどで待機する場合、帰り荷先となる荷主が上り側なのか下り側なのかが分からず困ることがある。反対方向の荷主だった場合は一度高速を降りて乗り直さなければならないが、あらかじめ下道の待機所にいれば、帰り荷先が決まってから動けるのだ。
一方、パチンコホールの駐車場利用には、パチンコ依存などの観点から懸念する声もあるはずだ。筆者自身、アルコール依存症をはじめ、あらゆる依存症に対して非常にシビアに見ている1人だ。
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