「駐車するためにわざわざ高速へ…」トラック運転手たちを心底悩ませる“長時間労働”より深刻な問題
周辺住民の中には、こうしたトラックの運送企業にクレームを入れたり、写真を撮影してグーグルの口コミに悪意あるコメントを残したりする人も。
トラックドライバーとて路上駐車・迷惑駐車はしたくない。いつ窓を叩かれるかとビクビクしながら仮眠をしても、疲れなど取れるはずがない。こうした中、ドライバーに今、最低限必要なのは、無理な労働時間短縮よりも、安心安全に止めて休める「待機所」なのである。
他業種から「待機所」ビジネスへ参入
そんなトラックの待機所不足のために新規プロジェクトを立ち上げた会社がある。プリペイドカード発行や貨幣現金通貨を数える機械を販売するグローリーナスカだ。
同社の顧客には平面駐車場を構える大型商業施設が多く、同社の新規事業担当者はこうした駐車場をトラックの待機所にできないかと考えた。
中でも最大の顧客がパチンコホールだ。多くは幹線道路沿いに展開しており、郊外の店舗においては、トラックでも駐車できるほど広大な駐車場を設けている。
しかもホールの駐車場は、昼間の空きマスはもちろん、深夜になれば駐車場ごと「空き地」になる。シャワー施設やトイレなどは併設されていないが、多くのホールの近くにはコンビニがあり、食事やトイレなども確保しやすい。
大型商業施設の駐車場活用は、もう1つ利点がある。
全国にはトラック協会が運営している「トラックステーション」と呼ばれる待機所が各地にあるが、道路需要に変化が生じるたびに多くが閉鎖を余儀なくされてきた。一方、ホールや大型商業施設の場合、すでにある敷地を利用するため、それほどコストがかからないためサステナブルでもあるのだ。
運送業界にまったく人脈のないところから始まった同社の新規事業だったが、業界内外からの関心は高く、現在、いくつかの運送企業とタッグを組み実証実験を行っている。

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