2013年度新卒採用動向調査【12月下旬現在】 その2--大学指定や外国人採用、ソーシャルメディアの活用

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●増大する外国人/留学生の採用

10年には英語を社内公用語化する企業が登場するなど、ここ数年でグローバル対応を経営課題とする企業が増えてきたが、13年卒では採用課題に「グローバル採用」を掲げる企業が急増し、潮流になった。すでに外国人、留学生を採用予定とする企業は全体の約半数に達している。採用意欲は大手企業ほど強く、「採用予定はない」企業は3割弱にとどまり、7割に採用予定がある。中小企業の採用意欲はまだ弱く、6割の企業で「採用予定はない」。もっとも残りの4割が採用を予定しているとすれば、中小企業のグローバル採用への取り組みはかなり進んでいると分析することもできる。

採用対象別に見ると、日本語が堪能であると期待できる「日本にいる外国人留学生」の採用ニーズが最も高く、すべての企業規模で「海外大学にいる日本人留学生」を上回っている。これに対して、「現地の大学にいる外国人学生」を採用予定とする企業はまだまだ少ないものの、大手企業では2割近い企業が採用したいとしている。その大半は、巨大市場と化した中国の現地学生であろう。

図3:採用予定のある外国人/留学生
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●過渡期の採用ソーシャルメディア

今年はソーシャルメディアが注目されている。今回の調査では「facebookの活用」を問うたが、どの企業規模でも「facebookサイトを立ち上げるつもりはない」がまだ過半数を占めているものの、大手企業では「立ち上げを検討中」までを含めれば4割以上の企業が前向き。中小・中堅企業も「立ち上げた」「立ち上げ予定」の合計では大手企業と比べて遜色ない。

facebookの利用者は増え続けているから、採用メディアとして無視できない。「採用活動におけるソーシャルメディアの可能性」を聞いたところ、最も多いのは「今はあくまでも実験段階」で33%、続いて「採用ツールとして役立ちそう」が23%だ。「就職ナビに取って代わる」の7%を加えると、63%になる。「一時的なもの」「採用活動になじまない」「活用するつもりはない」もあるが、3つを合わせて23%にとどまっている。全体的には、もう少し様子を見ようということだろう。

facebookの利用方法では、「説明会情報」「先輩紹介」など、採用ホームページとさほど変わらない内容にとどまっている例も多く、コミュニケーションツールとしての利用はまだ少ないようである。もしかするとfacebookがこれからの採用広報の柱になる可能性もあるが、効果的な情報を発信し続けるには膨大な手間がかかる。それがfacebook採用の課題だろう。

図4:採用のためのfacebook活用状況
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