「潔い人」ほどリーダーに向いている"数学的"理由 「いつまでも決められない」がなくなる決断の型

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スピーディーな意思決定が可能なふたつの考え方をご紹介しましたが、共通するのはやはりその「潔さ」です。

「最も起こりやすいケースだけ考えよう。それ以外を考えても意味がない」という考え方と、「この条件だけは譲れないと考える部分だけフォーカスしよう。それ以外を考えても意味がない」という考え方、いずれも実に潔い考え方ではないでしょうか。

意思決定とは「人格」である

白黒をはっきりさせることが難しい問題、あるいはさせたくないと思っている問題に直面した時、その問題にケリをつけるには、ある種の「エイヤッ」が必要です。

その「エイヤッ」が潔さということになりますが、「潔くなれ」と言われてすぐにそうなることは難しいです。そのため、事前にルールを決めておくことをおすすめします。

そしてルールを決めたら、どんなことがあっても例外を作らないことです。それを認めてしまうと、その都度迷ってしまうことになり、ルールを決めた意味がゼロになります。自分でルールを決めたなら、何が何でもそれに従うことが鉄則でしょう。どんな場面でも早く意思決定ができる人は、自分で決めたルールや型を持っています

ちなみに、私は逃げたくなるような意思決定テーマが目前にあるときは、最尤未来原理で意思決定すると決めています。自分の主観も頼りに数値化した確率を用意し、その数値の大小には素直になり、もっとも確率の大きい状況になると仮定して判断します。

私は数学の人間なので、数学的でありかつもっともシンプルな方法論を選びたい。そう思っています。なぜなら、それが私らしいからです。そういう意味で、意思決定の正体は「人格」といえるのです。

今回は、代表的な意思決定の考え方をふたつだけご紹介しましたが、もちろんこれらが全てではありません。あなたの人格に合った意思決定のルールが見つかることが理想でしょう。3月は意思決定の季節です。これを機に、ぜひ自分の意思決定の型を探してみてはいかがでしょうか。

余談ながら、ある報道によると「1年間のうち離婚がもっとも多いのが3月」なのだそうです。春は別れの季節と言われますが、人間にはずっと後回しにしていた厄介な問題を片付けたいタイミングがあるのかもしれません。意思決定の型は、人生においても大いに役立つでしょう。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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