岐阜発「楽園企業」、年休140日で驚きの高年収 さらに有休最長40日+残業なしで「この金額」

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本社が岐阜県にある同社の直近5年間の、驚きの高年収は以下のとおり (有価証券報告書より)。

2011年度:約610万円
2012年度:約617万円
2013年度:約619万円
2014年度:約624万円
2015年度:約647万円

 

なんと平均年収は600万円を超え、しかも増額が続いている。2015年度では、およそ650万円だ。

忘れてほしくないのは、それが「1日の就業時間は7時間15分で、残業も仕事の持ち帰りもなし」という、実に恵まれた就業環境下での金額だということ。

この年収で毎日4時45分に仕事が終わり、毎日、家族と一緒に夕食をとれるのだから、まさに「楽園企業」というしかない。

「残業ゼロで年収は約650万円」の2つの理由

なぜ、未来工業は岐阜県内でもトップクラスの高給を保証して、社員を大切にするのだろうか。

もちろん少なくとも直近5年間は、同社が増収増益を続けているからだが、そこにはもうひとつ、山田氏の「人を大切にする経営」がある。

1. 「人の働きぶりこそが会社経営の根幹や」

 生前の山田氏が繰り返し語っていた、忘れられない言葉がある。

「うちは社員約800人全部が正社員や。派遣やパート社員は1人もおらん。『派遣社員を増やせば人件費を半減できる』なんて言うバカな経営者がいるが、『正社員と同じ仕事を、半分の給料でやらされる人の気持ち』を、一度でも考えたことがあるんか?」

会社とは、やる気を起こしたり失ったりする人の集まりであり、そんな人たちの働きぶりこそが、経営の根幹であると、創業者兼相談役だった山田氏は熟知していた。

2. 「社員は『人材』ではなく『人財』や」

山田氏は昔から「人材」という言葉も嫌いだった。

「『人』という字に『材料』の『材』の字をくっつけるのは、人間を交換可能なモノ扱いしている証拠やろ? むしろ、会社を生かすも殺すも社員たちの頑張り次第なんだから、『人財』のほうがエエわな」

「人材」ではなく「人財」という言葉を好んで使う――そこに、山田式「人を大切にする」経営の本質が凝縮されているように思えてならない。

荒川 龍 ルポライター

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あらかわ りゅう / Ryu Arakawa

1963年、大阪府生まれ。『PRESIDENT Online』『潮』『AERA』などで執筆中。著書『レンタルお姉さん』(東洋経済新報社)は2007年にNHKドラマ『スロースタート』の原案となった。ほかの著書に『自分を生きる働き方』(学芸出版社刊)『抱きしめて看取る理由』(ワニブックスPLUS新書)などがある。

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