神保:総合政策学部ではAO入試によって年に100人ほどの学生たちが入ってきます。425名が定員ですから4人に1人はAO生です。彼らの多くはとても魅力的で、自分で新しい事業を打ち立てたり、クリエイティブな論文を書いたりと、素晴らしい発想力を持っています。
一方で、少数ですが、AO入試で入ってきてもうまく開花できないというか。実力が伴わずに、やりたいことができずにいる学生がいるのも事実です。
窪田:AO入試で入学して、その後、伸びていく学生さんと伸び悩む学生さんは何が違うのでしょうか?
神保:もともと持っている自意識が強すぎると、新しい環境で一からチャレンジするのが難しいのかもしれないですね。たとえ高校時代に学校で1番とか、県で1番の秀才だったとしても、全国区で勝負するとなると途端に普通の人になってしまう。それによって自身のアイデンティティに悩み、次第に居場所がなくなっていく。過去の成功体験に捉われて、新しい一歩が踏み出せなくなってしまうのかなと。
窪田:高校まではエリートで周囲からもてはやされていたのに、大学に入ってみたら周りも同じくらい優秀で目立たなくなる。たしかにそれで悩む人は多そうです。
神保:でも、そんな経験ができること自体、素晴らしいことですよね。「自分は普通だったんだ」と認識して、そこから成功の価値を見直し、自分の得意なところを伸ばせばいい。学生たちには、過去にこだわらずにどんどん成長していってほしいなと思っています。
総合型選抜人材が生み出す“新しい常識”
神保:他の学校のように入試科目が多いところの学生さんと比べると、AO入試で入ってくる学生たちは個性的な人も多い。必ずしもバランスのよい学習は求められていないので、時には常識から外れてしまうことも。でも、私はその自由さこそがAO入試ならではだと思うんです。
窪田:アメリカにはそうした人材は多くいますよね。何か一つの才能が飛びぬけているというか。
神保:そうなんです。アメリカの公開オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」などを見ていると、そんな人ばっかりですよね。