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「総合型選抜人材」が生み出す"新しい常識" 慶応大学SFCに見る「多様な可能性の伸ばし方」

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  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
  • 神保 謙 慶応義塾大学総合政策学部教授
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窪田:アメリカは、枠にはまらない人たちを許容しながら社会が作られていますよね。そういう意味では、SFCはクリエイティブな人材、そして多様な人材を育てられる環境なんですね。

神保:SFCができたのは1990年で、もう35年も前。その間にいろいろなジャンルで活躍する人材を輩出し続けています。今あるテックブームとかスタートアップ企業などの動きを、一番先導していたのがSFCだったと思います。いわゆるお堅い方たちから「常識がわかってない!」と怒られながらですが(笑)。

窪田:でも、今ではそれが社会の「常識」になっていますからね。

学生の「やりたい」を優先させるSFCの教育

窪田:日本でも総合型選抜がだいぶ浸透してきましたが、SFC志望者にも変化はありますか?

神保:少子化が進んでいるので、他の大学と違わず受験者数自体は減っているのですが、実は2025年度入試に関して言うと、総合政策学部では300人も増えたんです。

窪田:それはすごい!

神保:今、増えた理由を分析しているところなんですが、もしかしたら戦争やテクノロジー、AIなどのキーワードから、そうした分野につながるSFCが再び注目されているというのが一つ。2025年度の18歳人口が例外的にやや増えたことがもう一つ。ただ、一番有力な仮説は、昨年、ご家庭の金融資産が増えたんじゃないかと。

窪田:え! そこですか!

神保:そうなんです(笑)。もしかしたら「併願していいよ」と言えるご家庭が増えたのかなと。

あとはここ最近の変化でいうと、以前は慶応の三田とSFCを併願して両方受かったら、ほぼ9割の学生が三田に行っていました。今はその割合がちょっと変わってきて、SFCを選ぶ人が増えてきている。いろんな可能性を感じて「SFCに行ってみたい」と思う人が増えているのを感じます。

窪田:学生たちへの教え方にも特徴がありますか?

神保:学生が「やりたい」と言ったことに対しては、たとえ見切り発車でも走らせる。「統計学ができなければ先に行けない」なんて言っていたら、あっという間に4年間が終わってしまいますから。

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【人間と機械が共存できるポイントを探る】

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