東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #近視は病気です

中国が「1日2時間の屋外活動」を義務化した理由 国家プロジェクトで小学生の近視を予防する時代に

7分で読める
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
  • 神保 謙 慶応義塾大学総合政策学部教授
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

神保:その対策として、「学習塾禁止令」で幼少期からの受験戦争をやめさせようとしたのではないかと。もう一つの目的は、2021年に習近平国家主席がスローガンに掲げた「共同富裕」にあります。これは社会全体が幸福で豊かな生活を送れるようになることを目指す考え方で、具体的には貧富の格差是正を指します。

窪田:それだけ中国では貧富の差が広がっていると。

「求める人材像」に変化が

神保:そうなんです。受験戦争を勝ち抜くために学習塾が必須となれば家族は惜しみなく塾にお金を注ぎます。富める者が優位となる構図ですね。そこから解放しようと考えたのが「学習塾禁止令」につながったのだと考えています。

窪田:たしかに学習塾によって受験戦争はどんどん煽られていきます。

神保:中国にしてみたら、将来必要なのは次世代の産業を発展させていけるような人材です。とすると、大学よりも高専などで学ぶような、より実践的な技術を身に付けた人がほしい。受験戦争によってホワイトカラー的な人材を大量生産しても、意味がないと気付いたのではないでしょうか。

窪田:最終的に求める人材をイメージして、受験システムそのものを変えていったということですね。

最近では日本の大学受験でも総合型選抜の導入が進んでいますが、それも多様な人材を育てていくためのシステムです。次回は、日本における総合型選抜(AO入試)のパイオニア的な存在である慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の教育について、神保先生にお聞きしていきます。

(構成:安藤梢)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象