「フルーツの高野」が新宿の名所となった軌跡 フルーツ食べ放題やアフタヌーンティーも

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歴史と言えば、象徴的なのがロゴにも使われているマスクメロンだ。

実はマスクメロンの誕生も、新宿と関係が深い。明治時代、政府の政策により欧米から輸入された苗が新宿御苑内の農事試験場で栽培され、やがて全国へ広がっていった。そのうちの一つが1885年に温室栽培に成功したマスクメロンだ。新宿高野では1920年から取り扱いを開始した。

静岡県産マスクメロンパフェ
新宿高野を象徴するフルーツがメロン。通年扱っているのは静岡県産のものだけだ。写真は「静岡県産マスクメロンパフェ」3850円(写真:新宿高野)

日本初のマスクメロンと同じ品種は現在、静岡の袋井市で栽培されている。新宿高野では時期に応じてさまざまなメロンを扱うが、唯一、袋井市のものだけを年中取り扱い、特別な地位を与えている。

新宿は同社設立の地であり、フルーツとの関わりも深い。「新宿御苑×新宿高野Fruitsセミナー」として、新宿御苑を散策しながらフルーツを楽しめる新宿御苑の企画もあるそうだ。

このように、新宿高野の企業としての成長は、日本の文明開化や、戦後復興などと重なっている。そして高野の歴史には、日本のフルーツ文化の広がりも見ることができる。

今年で設立140周年

実は新宿高野、2025年で設立140周年を迎えた。記念行事はまだ明らかにされていないが、フルーツの可能性をさらに広げるような、専門店ならではの取り組みを期待したい。

なお、新宿高野では32のショップ、8のフルーツパーラーを展開しているが、新宿にある「新宿本店」と、そのほかの店舗で提供商品や販売商品が一部異なっている。

例えば前述の「苺のパフェ」をはじめとする期間限定のメニューも、新宿本店とその他の店舗では、パフェの設計や価格が異なっている。

また新宿本店にはカットフルーツの食べ放題やアフタヌーンティーが楽しめる「タカノフルーツティアラ」も併設している。

ここだけの味、体験が得られる高野新宿本店、東京観光のリストに加えてみてはいかがだろうか。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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