「フルーツの高野」が新宿の名所となった軌跡 フルーツ食べ放題やアフタヌーンティーも

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加工品としては、「苺ショコラサブレ」(378円)、「あまおう&とちおとめチョコレート」(810円)、「苺のチャイ」(20g箱378円)などが販売されている。

フルーツチョコレートは新宿高野の人気商品。公式の説明によると「フルーツの果汁をパウダー状(バナナを除く)に、果肉をフレーク状(バナナのみ)に加工してチョコレートに練り込み」フルーツの風味豊かに仕上げているという。

そのあまおうととちおとめ版で、いずれもちゃんと味わい分けることができる。1粒1cmぐらいなので、口の中でスッとなくなり、「もっと食べたい」と思わせる。甘さがしつこくなく、後口がすっきりしているのもいい。

苺のチャイはミルクティー用の茶葉だ。ただ、ストレートティーとして飲んでも、渋みもなくほんのり自然な苺の香りが楽しめる。

これら加工品はオリジナル商品で、同社では果実販売やフルーツパーラーに並ぶ強みと位置付けている。

設立以来続けてきた“フルーツの魅力の発信”

今回は苺だが、新宿高野では年を通して、さまざまなフルーツの魅力を広めるフェアを産地とのコラボレーションによって開催。フルーツについての知識や、おいしい食べ方などを講習するカルチャースクールも展開し、時には生産者を講師に招くこともある。

目的は「フルーツ文化の発信」だ。

「今は各産地でフルーツのブランド化が進んでいる。新しいブランドを世の中に広めるためには、産地、行政、小売りで連携して取り組む必要がある」(秋山氏)とのことだ。

同社が産地を支援するのも、日本のフルーツを巡る状況が背景にあるからだろう。日本ではフルーツ全体の収穫量や作付け面積は減少傾向。苺の収穫量も、10年前から横ばいか、微減傾向にある。

生産者の高齢化や後継者不足、長期的な不況による販売不振、若者の果物離れなどが理由だ(「果樹農業に関する現状と課題について」令和元年・農林水産省)。作物の付加価値向上やブランド化、労働生産性の向上、国内外の消費拡大などが対策として重要になっているのだ。

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