激震!10月1日から加盟店側に新たな負担

偽造カード対策を怠ると補償責任が発生

米国のVisa本社

世界最大のクレジットカード決済ネットワーク会社Visa(ビザ)は10月1日、日本および米国で「CHIPライアビリティシフト」(債務責任の移行)というルールの導入に踏み切る。

これは、ICカード化対応をしていなかった小売店のPOS端末などで偽造カードが使われた場合の被害の補償について、従来、カード発行会社(イシュアー)が負っていた責任を、加盟店側(加盟店または加盟店管理会社(アクワイアラー))に移転させるというものだ。すでにライアビリティシフトは欧州やカナダ、アジア太平洋諸国などで導入されているが、今回、最大市場の米国や日本でもルールを導入する。

IC化の遅れた国で偽造カードが横行する

米国では2013年から14年にかけて、大型小売店などのPOS端末を通じて数千万人分ものカードデータが流出する事態が相次いだ。盗まれたカード情報を元に偽造カードが作られて利用される被害も発生。大きな社会問題になっていた。これを踏まえて、14年10月にはオバマ大統領がカードセキュリティに関する大統領令に署名。米政府として国を挙げてクレジットカード取引のIC化を進めることを取り決めた。

官民を挙げての取り組みもあり、米国では今年の1年間に、カードおよび読み取り端末ともにIC化が大幅に進捗。12月末にはIC化対応のクレジットカードが70%以上、IC化対応のPOS端末が50%近くに高まると推定されている(15年初時点ではそれぞれ13%と2%)。

ICカード化は、偽造カードによる犯罪を抑止するための切り札とされている。かつて偽造カードによる被害が相次いだ英国やマレーシアでは、カードおよび端末ともIC化対応で処理された「CHIP ON CHIP取引」の比率が高まるとともに、偽造被害額が急減。逆に、対策が遅れた国に被害が集中するという現象が起きた。

ひるがえって日本はどうか。Visaの調べによれば、Visaブランドのカードでは7割近くにICチップが搭載されているが、POS端末(専用端末を含む)のIC化はわずか17%。しかも「ここ数年、端末のIC化率はほとんど上昇していない」(井原亮二・ビザ・ワールドワイド・ジャパン・リスクマネージメント担当シニアディレクター)。

というのも、百貨店やスーパーマーケットなどの端末のほとんどでIC化対応ができていないためだ。結果として、ICチップを搭載したカードであっても磁気読み取りの形で処理されているため、依然として偽造カード被害のリスクを免れない。

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