激震!10月1日から加盟店側に新たな負担 偽造カード対策を怠ると補償責任が発生

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クレジットカード取引に関するセキュリティ強化については、14年から成長戦略の一環として政府も乗り出した。これを踏まえて今年3月にはカード会社のほか、決済代行会社、大手流通企業、電器メーカーなどが参加する業界横断的な協議会が発足。7月には「中間論点整理と今後の検討の方向性」が取りまとめられた。ここでは、「IC化対応の遅れによる日本のセキュリティホール化の懸念」が指摘され、「現行のPOSシステムの全面的なIC化対応システムへの転換」などが具体的な導入方策の一つとして示された。

もっとも、こうした対策の必要性の指摘は今に始まったことではない。日本でクレジットカードのIC化がスタートしたのは1990年代後半で、世界でも早いほうの部類だった。だが、「費用対効果」などを理由に特に大手流通業のPOS端末のIC化は一向に進まないまま、ライアビリティシフトの導入が先に来てしまった。

ライアビリティシフト自体には、「不正防止のためにICカード化を進めた発行会社(イシュアー)の労力に報い、対応が遅れた事業者に痛みを感じてもらう」(前出の井原氏)という意図がある。今後、大規模な偽造被害が起きた場合には、加盟店管理会社(アクワイアラー)や流通業などの加盟店が被害の補償を迫られることになる。カードセキュリティ強化に躊躇する企業は、確実に外堀を埋められつつある。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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