日本の文脈 内田樹、中沢新一著

日本の文脈 内田樹、中沢新一著

同じ1950年生まれの「野生の思想家」同士の過去2年半における対談を中心に収録。農業、教育、宗教、思想、戦争、東日本大震災などについて、博覧強記さを隠さず論ずるが、3・11を分水嶺にするがごとく、論調が変化する。むしろ3・11によって、両者の持論が補強されているかのようだ。

それは、原発事故を伴った大震災によって、「辺境日本的な価値観や生き方」が、よりリアリティを持って立ち現れたからなのだろう。たとえば「贈与」の原理に基づく人間関係を生み出したい、あるいは地域の活力を高めて幸福感のある経済のあり方にするという考え方は、持論とみられる「重農主義」や「廃県置藩」を促進させる。

今「自分の知らないルールでゲームは進行している。とりあえず必死になってプレイしながら、ゲームのルールを発見してゆくしかない」と教える。知的刺激に満ちた「日本人論」であることは間違いない。

角川書店 1680円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • 女性の美学
  • インフレが日本を救う
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
史上最大の上場に賭ける<br>ソフトバンクの思惑

12月19日、ソフトバンクが上場する。過去最大規模の超大型上場だが、祭りの後は楽観できない。親子上場による利益相反、高い配当性向、キャッシュの流出など懸念材料は多数。同社の大胆な戦略の前提である安定した収益成長が崩れる日、事態は……。