「無能な上司」ばかりと感じる人に欠けた視点 上司の苦手分野を補うように動いてみると…

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例えば、経営層からプレッシャーをかけられたり、チーム全体の成果に対する責任を負わされたり、上からの指示と現場の声の板挟みに苦しんだり……。

名選手が必ずしも名コーチや名監督になるわけではないように、上司という立場には単純なスキルや実績だけでは対応できない難しさがあるのです。

上司に不満を感じたとしても愚痴を言うだけでは何も変わりません。むしろその状況を逆手に取り、自分の成長につなげられないか考えてみてください。

例えば、上司の苦手分野を補うように動いてみるのです。「資料作成が苦手そうなら率先して企画書を作る」「コミュニケーションが苦手そうなら調整役を買って出る」。こうした利他的な行動は、チーム全体の成果を向上させるだけでなくあなた自身の存在感を高めることにもつながります。

ほかにも反面教師として学ぶこともできます。「もし自分が上司と同じ立場ならどうするかな?」と仮説を立てて考えてみたり、上司が抱えている課題をキャッチして解決策を提案したりすることは、将来のリーダーシップを磨くトレーニングになります。

仕事のできる人ほど上司に対する期待が低い?

実は、仕事のできる人ほど上司に対する期待が低い傾向があります。ダメな上司であっても「そんなものだろう」と割り切っているのです。「はじめに」でお伝えしたように、変えられないものを変えようとするのは限界があります。

なぜ上司が無能に見えるのかというと、期待する上司像と、目の前にいる現実の上司との間にギャップがあるからです。

残念ながら、現実の上司の実力がすぐに引き上げられることはありません。

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下地 寛也 コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタント、エスケイブレイン代表

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しもじ かんや / Kanya Shimoji

1969年神戸市生まれ。1992年文房具・オフィス家具メーカーのコクヨに入社。デスクや会議室の配置などの「分け方」を研究したことをきっかけに、社会のさまざまなコト、モノ、サービスの「使いにくい」「わかりにくい」といった問題点は「分け方」で「しやすい」に変えることができるという提案をするように。現在はコーポレートコミュニケーション室の室長と同時に新しい働き方を模索して複業ワーカー(エスケイブレイン代表)としてのビジネススキルに関するセミナーや講演、YouTube動画配信などの活動も積極的に行っている。著書に『考える人のメモの技術』(ダイヤモンド社)、『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)など。

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