パナソニック、次世代テレビは“不戦敗” 

重すぎた「プラズマ集中」のツケ《上》

 

その後、サムスンの液晶テレビは飛躍的に品質が向上したといわれる。パネルの増産投資を積極化し、ウォン安を武器に急速に日本メーカーを追い上げた。優れたデザインと巧みなマーケティングで欧米市場を果敢に攻め、瞬く間に世界トップシェアへと上り詰めた。

07年には価格競争に白旗を揚げたパイオニアがプラズマ撤退を決め、技術者約150人がパナソニックに移籍し、画質向上と尼崎新工場の立ち上げに貢献した。今から1年前まで、パナソニック幹部は、「プラズマは製造工程にアナログな部分が残っており、差別化できる」と自信を見せていたが、実は勝負はこの時点でついていた。

事業撤退とリストラで日本人技術者が大流出

ポストブラウン管の座を手にしたのは液晶だった。調査会社のディスプレイサーチによると、テレビ市場に占めるプラズマのシェアは6%程度。プレーヤーはパナソニックとサムスン、LG、中国チャンホンの4社に限られるが、プラズマを主力に据えるのはパナソニックだけ。出荷台数のピークは10年の1844万台だが、出荷金額では06年の183億ドルを頂点に右肩下がりが続く。液晶の大攻勢を受け、06年から価格下落を台数増加で補えなくなっていた。

 

 


 世界で初めてプラズマパネルのカラー化に成功し、大型化を実現した富士通の元技術者である篠田傳氏は「製造工程はプラズマのほうが液晶より少なく、本来ならばコスト優位性がある。画面の美しさも液晶を上回る」と強調する。

 

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