自治体が「3セク」で失敗を繰り返す3つの理由

南アルプス市では開業3カ月で破たん危機

実は第3セクターの事業体は、全体の60%が黒字、40%が赤字となっています。

第3セクターが失敗する「3つの共通点」

普通にこの数字を読んでも「40%が赤字」というのはほめられたものではありません。しかし、「60%の黒字」についても「経営がうまくいっている」、とは素直に言えないのです。

実際は、全体の約43%に自治体から補助金が拠出され、約56%が自治体から委託事業を得ており、行政の支出によって黒字化しているだけなのです。さらに、約42%の3セクが自治体から計4兆円もの損失補償・債務保証を受けています。また、平成16年(2004年)から平成25年(2013年)までに法的整理が行われた第3セクターは200法人にのぼります。しかし、膨大な数にのぼる第3セクターは、依然大きな問題を抱え、地方公共団体に重くのしかかっているといえそうです。

それこそ、自治体の総力をあげて事業を行っているような第3セクターもあるわけですが、そうした第3セクターほど大失敗を繰り返しています。その背景には、3つの共通点が存在しています。

(1) 1つの3セク事業で、すべて「バラ色」に!?

まちを挙げた事業の多くは、自治体が関与することから、地域が抱える課題の「一発逆転ホームラン」を期待され、その事業1つで複数の政策目標が設定されます。

どういうことでしょうか。典型的な3セク事業の計画をみると、その事業を行うと「地元産業が活性化し、観光客も増加。地元商品は馬鹿売れ、人口も増加に転じ、財政は改善され、若者の雇用も改善、お年寄りは元気に、教育レベルは向上し・・、といった具合に、何から何まで解決するような「万能計画」という話になっていくのです。

そもそも事業に必要なのは、まずは成功に向けた目標設定であり、その結果として政策課題が解決されるわけです。複数の地域政策の課題解決を図りながら、事業の成功を納めるなどという複雑なことは、簡単にはできません。まずは目の前にある商品を開発して売上げをあげることが大切なのに、そこに「若者雇用の解決」、「人口の増加」などまで課してしまうのです。

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