25年ぶりにピーク超え「ソニー2.0」は何がすごい 新CEOが掲げる"超エンタメ路線"で株価上昇
例えば「ファイナンスは、詩だ」と題した展示では、ソニー・ミュージックエンタテインメント所属の「羊文学」の音楽とソニーの音響技術、プロジェクションなどを組み合わせたエンターテインメントを体験できる。
ほかにも、年始にアメリカ・ラスベガスで開催されたCES2025では、ゲーム「ラスト・オブ・アス」とソニー独自の技術を複数組み合わせた体験型のエンタメを展示してみせた(詳しくはこちら)。
これらに通底するのはVR(仮想現実)ゴーグルや3Dメガネといった特殊な装備を身につけないまま体験できる新しい形のエンタメへの挑戦だ。
ある業界関係者は「こうした技術は、10年後にビジネスとして日の目を見るくらいのもの。こんなことができるのは、技術的、資金的にソニーぐらいだろう」と話す。
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新たなエンタメの覇権握れるか
ソニーの株価が2000年3月に上場来高値をつけた翌2001年、アップルがMP3プレーヤー「iPod」を発売した。ソニーの祖業であるエレクトロニクス領域は、その頃から先駆者としての輝きに陰りが見えるようになる。2007年に発売された「iPhone」でスマートフォン市場が急拡大する中、その波に乗れぬままリストラを繰り返すこととなった。
2012年に社長に就任した平井一夫氏が「感動」というキーワードを打ち出してエレキの構造改革を実施し、そこからバトンをつないできた吉田・十時体制では、一貫してエンタメへのシフトを徹底してきた。
ウォークマンやテレビ「ブラビア」を中心としたエレキのソニーが「ソニー1.0」だとすれば、エンタメへのシフトはさながら「ソニー2.0」というべき立て直しの期間だった。この間に収益力は大幅に改善し、株価は25年来の高値水準まで復活した。
4月からスタートする十時CEO体制は、さらに「エンタメのソニー」を突き進んでいくことになる。「グローバルで戦うにはまだ規模や収益が足りない」と課題を語る十時氏。はたしてソニーは、再びグローバルで覇権を握れるのだろうか。
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