25年ぶりにピーク超え「ソニー2.0」は何がすごい 新CEOが掲げる"超エンタメ路線"で株価上昇

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PSポータルは北米を中心に売り上げを伸ばしており、この新たなクラウドサービスはゲーマーの間で広く支持を集めているという。こうした施策が奏功し、高額プランへの加入者が増えてゲーム事業の利益率は大幅に改善した。

来2026年3月期には、ソニーが傘下のスタジオと開発を手がける大型タイトルのほか、サードパーティーの大人気シリーズ「グランド・セフト・オート」の新作発売が控えている。こうしたことも踏まえて、ゲーム事業の業績がさらによくなると見込んだ投資家がソニーの株を買っている。

据え置き型ゲーム機「プレイステーション5」のリモートプレイヤーとして2023年に発売された「プレイステーションポータル」(写真:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

事業会社でも世代交代

株価上昇のもう1つの要因は、ソニーが1月29日に公表した経営陣交代への期待感だ。現在は社長でCOO(最高執行責任者)とCFO(最高財務責任者)を兼務する十時氏が、4月に社長CEOに就任。現CEOの吉田憲一郎氏は代表権のある会長職となる。

「順当すぎるほど順当」(ソニー関係者)という人事だが、トップ交代の背後で大幅な変更があったのが、グループの屋台骨ともいえる事業会社2社の経営体制変更だ。

半導体事業会社のソニーセミコンダクタソリューションズでは、2020年6月から社長CEOを務めてきた清水照士氏が会長となり、モバイル事業を手がけてきた指田慎二副社長が昇格する。ゲーム事業のソニー・インタラクティブエンタテインメントでは、共同CEOだった西野秀明氏が社長CEOとなる。十時氏は同社の会長職から退任する。

また、十時氏はCEO就任に合わせて新たに「ビジネスCEO」「チーフオフィサー」という役職を設けた。「オープンでリーンな(無駄がない)本社にしたい」(十時氏)という狙いがあるという。

2018年に社長に就任した吉田氏は、ソニー株式会社というエレクトロニクス事業会社の傘下に映画や音楽、ゲームなどの事業会社があったそれまでの体制を2021年に変更した。

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