25年ぶりにピーク超え「ソニー2.0」は何がすごい 新CEOが掲げる"超エンタメ路線"で株価上昇
ソニーグループという純粋持ち株会社を作り、その下にゲーム、音楽、映画、半導体、エレキ、金融という6つの事業セグメントがぶら下がる体制への移行を進めた。これは就任当初から語ってきた「多様性を生かした経営」を進めるためだった。
今回、十時氏の下で6つのセグメントそれぞれにビジネスCEOが誕生する。これによって、各事業会社の自律性はさらに高まることになる。
“超エンタメ企業”を意識
吉田会長や十時社長がこれまで繰り返し強調してきたエンターテインメント企業への移行をさらに進めるためには、本社機能のスリム化で各事業会社の経営の自由度を上げつつ、エンタメという横軸を強化する必要がある。
十時氏は記者からの質問に対して「クリエイティブエンタテインメントビジョン(CEV)にどれだけ近づけるかがチャレンジ」と話した。
CEVとは、ゲーム、音楽、映画、アニメ、スポーツの5つのエンターテインメント領域について、それぞれをIP(知的財産)の「創出」「育成」「展開」の3段階に分けて考え、成長させていこうというコンセプトのことだ。
例えば1300万本以上を売り上げた大ヒットゲームの「ゴーストオブツシマ」は、ソニーが2021年に買収した海外向けのアニメ配信プラットフォーム「クランチロール」が中心となって、2027年にアニメ化されることが発表されている。
これが既存のアセットを組み合わせるCEVの第2段階「育成」だとすれば、ソニーはさらにその先を見据えた取り組みも進めている。それは、かみ砕いて言えばゲームや映画、音楽、アニメといった既存のエンタメの枠を超えて、新たなエンタメのジャンルを生み出すための取り組みということだ。
その先進例の1つが東京・銀座にある「ソニーパーク」だ。ソニービルの跡地に建設されたこの施設では、今年1月のグランドオープンに合わせて「Sony Park展2025」という展示が行われている。
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