もうすぐ発表「米国アカデミー」見所を徹底解説 日本関連は3つの作品がノミネートされている
ロシア系アメリカ人の若きストリップダンサー、アノーラがロシア人の御曹司に見初められ、彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5000ドルで“契約彼女”になる。しあわせの絶頂の中、衝動的に結婚まで至ったふたりだが、その結婚に猛反対するロシアの両親が契約無効にさせようと大騒動になる――という物語だ。
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同作は作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、編集賞、脚本賞の6部門にノミネート。カンヌ映画祭で最高賞となるパルムドールを獲得したのをはじめ、主要な映画賞に軒並み受賞。もしくはノミネートを果たすなど注目の1本だ。
アカデミー賞の前哨戦として注目されている「クリティクス・チョイス・アワード」「全米製作者組合賞」「全米脚本家組合賞」「全米監督組合賞」なども軒並み同作が最高賞を受賞。監督賞にノミネートされているショーン・ベイカーはもちろんのこと、主演のアノーラを体当たりで演じたマイキー・マディソンの評価も高く、主演女優賞の行方も注目されている。
最多ノミネートの「エミリア・ペレス」
今年のノミネート作品で最多となる12部門13ノミネート(歌曲賞で2曲ノミネート)されているのはジャック・オーディアール監督の『エミリア・ペレス』だ。
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メキシコの麻薬王マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受けた弁護士のリタ。見事、エミリア・ペレスとして生まれ変わり、新たな人生を踏み出したマニタスだが、ひょんなことから運命が大きく動き出す――。次から次へと展開が変化していくジェットコースターのような展開と、ミュージカル仕立てのパワフルな演出など、映画としては非常に強力な1本。
弁護士のリタを演じ、助演女優賞にノミネートされたゾーイ・サルダナが、前哨戦となる「クリティクス・チョイス・アワード」「ゴールデン・グローブ賞」「英国アカデミー賞」でも助演女優賞を軒並み受賞しており有力視されているが、今年1月に本作主演のトランスジェンダー女優カルラ・ソフィア・ガスコンが過去に行った差別的なツイートが発掘され炎上。その影響がアカデミー会員の投票にどれだけ影響を与えるのか未知数となっている。
カトリック教会の総本山・バチカンを舞台に、ローマ教皇を決める教皇選挙(コンクラーベ)の裏側を描きだしたミステリー映画『教皇選挙』は、アカデミー賞の前哨戦のひとつである英国アカデミー賞で作品賞をはじめとした4部門を受賞しているほか、アカデミー賞の投票権を持つアカデミー会員が多数所属するSAGアワード(全米映画俳優組合賞)ではキャスト賞を獲得するなど、さらに混戦模様となってきた。
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