J-POPの世界的ヒット"バズ狙い"は活路にならず ストリーミング時代に浸透した「SNS拡散」の功罪

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
グローバルの音楽市場はストリーミングが牽引する形で成長している(記者撮影)
国際レコード産業連盟によれば、世界の音楽市場はストリーミングサービスを中心に成長を続けている。
Luminate(ルミネイト)はアメリカのデータ会社で、世界200以上の国と地域の音楽デジタルデータを集計、グローバルで音楽データを分析できるツールを提供している。数百万のアーティスト、アルバム、楽曲のデータをリアルタイムで分析できる。同社のデータはアメリカのビルボードチャートなどにも採用されている。
日本でもストリーミングサービスの利用は着実に伸び、市場の伸びを牽引している。ストリーミング時代のJ-POPにはどんな戦略が必要か。新たなファンを取り込むにはどうしたらいいのか。同社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント、スコット・ライアン氏に聞いた。

K-POPやJ-POPが世界へ広がっている

――世界の音楽市場はストリーミング中心に移行しています、どんなメリットがありますか?

興味深い点は、国や言語、文化の壁を超えて音楽を発見しやすくなったこと。今は番組などで流れている楽曲を「Shazam」(音楽認識アプリ)で検索し、すぐに聴くことができる。

ストリーミングの時代が到来したことで、音楽の発見と共有は世界中で加速している。若い世代は言語や文化などの背景と関係なく、より自由に音楽を聴くようになっている。

現在はさまざまなグローバルのトレンドがある。例えば「アフロビーツ」は中央アフリカ、ナイジェリア、ガーナから発展したジャンルで、欧州を経てアメリカ、グローバルに広がった。この進化は非常に興味深い。

ラテンミュ-ジックも南米から北米、欧州、その他の地域に広がっている。特に「リージョナル・メキシカン」というサブジャンルが人気を集めている。メキシコのシンガー、ペソ・プルマのような存在は、親世代の楽器を使いながらも、若い世代にアピールする音楽を作っている。

K-POPやJ-POPもアジアから東南アジア、さらにはアメリカ、カナダ、欧州、ブラジルなど各地に広がっている。また、EDMやダンスミュージックも成長が続いており、フィッシャーやジョン・サミットなど、若い世代のアーティストはZ世代とともに進化している。

次ページSNSとヒット曲の関係姓
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事