「外国人材をどう定着させるか」コメダ珈琲店の秘訣 離職率高い飲食業界の問題を「現地採用・教育」で解消へ

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フルサービス式では、当然ながらセルフ式に比べて店員の接客姿勢や気配りがより重要となります。一方で、十分な人材が確保できないのはコメダも同じでした。また、コメダも海外展開を視野に入れていて、本格的な外国人採用に取り組む必要性があったのです。

すると、フランチャイズ(FC)店のオーナーだった方から、「ミャンマー人をこれまでアルバイトで雇用していたが、他国の人と比べてとても飲食業に向いている」という話が出ました。また、2019年4月から、特定技能制度で「外食」分野の受け入れが始まりました。

また海外進出を考えると、タイやベトナムは同業他社がすでに進出しており、また上記のFCオーナーの話をはじめそれまでもミャンマー人従業員に対するよい話をコメダは聞いていたようです。

「気配り」「おもてなし」ができるミャンマー人

2019年4月にミャンマーを訪れた株式会社コメダ人事部でミャンマー人採用の実務を担当する今西直也係長は、ミャンマー訪問について、次のように振り返ります。

「初めてミャンマーを訪問した際、コメダ珈琲店で働きたいという面接前の候補者にお会いしました。すると、すでに接客で大切な『気配り』や『おもてなし』が自然にできていたのです。トレーニングをする前からこのレベルの接客ができることに驚きました。また、ミャンマー人が経営する喫茶店を数店舗視察しましたが、どのお店でも素晴らしい接客が行われており感銘を受けました。この経験から、ミャンマーの国民性が接客業に向いていることを確信しました。コメダ珈琲店は、単に珈琲を販売しているのではなく、"空間"をも提供するお店です。そうした意味でも、人材に頼る部分は非常に大きく、ミャンマー人に対して特別な想いを抱くようになりました」

それでも海外からの「直接採用」に踏み切るまでに至ったのはなぜでしょうか。実際に、コメダ珈琲店東桜武平通店を運営する有限会社タニ商店の谷口千海社長は、こう説明します。

「当社は、名古屋の繁華街・栄地区を中心に『コメダ珈琲店』を3店舗運営しており、周辺には日本語学校などが多く立ち並んでいることから、20年以上前からアルバイトとして留学生を採用してきました。アルバイトとして日本語学校などの留学生を採用する場合、入学時期である4月や9月であればアルバイトとして採用しやすいものの、それ以外の時期は採用が難しくなります。とくに、そこで採用できなかった場合や途中で辞めた場合、補充が困難になることが長年の課題でした」

その中でコメダ本部から次のような朗報を聞きます。

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