「外国人材をどう定着させるか」コメダ珈琲店の秘訣 離職率高い飲食業界の問題を「現地採用・教育」で解消へ

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「外国人アルバイトを社員にするのは滞在ビザの関係で難しく、日本人を社員として雇用しようとしても応募がなかなか集まりません。そのような中、コメダ珈琲店の本部がミャンマーに『コメダトレーニングセンター』を設立してミャンマー人を直接採用して研修・教育を行っており、彼らが活躍していることは聞いていました。ただ、『海外からの直接採用なんてどうやるのかわからない。そういうことは大手企業が行うものだろう』と思っていたのですが、コメダ珈琲店本部からFC店にも紹介するプログラムを開始すると聞き、すぐに採用したいとの意向を本部に伝えました」

谷口社長は2024年7月に、候補者10人をオンラインで面接しました。そこでは、このようなことを重視したそうです。

「当社は掃除の徹底が評価され、本部から何度も表彰されている店舗です。日本人の採用基準と同じように、掃除がしっかりでき、かつ元気で明るい人材かどうか。そこを重視するつもりで面接に臨み、2人に内定を出しました」

コメダトレーニングセンターを現地に設立

入国・出国手続きなど、面接から入国まで約半年をかけ、2025年1月に2人が来日しました。来日してまだわずかですが、来日前に『コメダトレーニングセンター』で事前教育を受けていたこともあり、通常1カ月ほどかかるレジ打ちなどの業務を2週間で習得するなど、期待以上の順応さを見せています。

こうした姿勢に、谷口社長も「将来は店長になってほしい」と大きな期待を寄せています。

コメダがミャンマーで人材育成を本格的に開始したのは2019年、民主化が進み、経済成長が著しいミャンマーで人材を育成し、当時すでに人手不足が深刻化しつつあった日本国内で採用することを目指しました。

2019年、コメダはヤンゴンにある日本語学校と提携し、「コメダトレーニングセンター」を設立しました。

1期生を募集するにあたり、喫茶店での勤務や経営に興味を持つミャンマーの大学卒業生を対象に提携する人材派遣会社が募集を実施。その結果、わずか3週間で約800人もの応募がありました。

その後、書類審査や面接を行って最終的に50人を選抜。彼ら1期生は、2020年中の来日を目指し、事前学習を開始しました。

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