30代女性を襲った「こめかみの激痛」まさかの正体 受診して痛感した「クリニック選びの重要性」

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「風邪によって粘膜が腫れ、副鼻腔に膿がたまることで痛みが生じるので、『顔全体や額、目や鼻の奥のほうが痛いんです』と受診されることが多いですね」(菊池医師)

ただ、副鼻腔炎になってもすぐに症状が出ず、田仲さんのように風邪が治ってだいぶ経ってから発症することもあるそうだ。

原因は風邪だけでなく、花粉症などによるアレルギー性鼻炎でなることもあれば、アレルギー性鼻炎に風邪が加わって副鼻腔炎が起こることもあるという。

「もともとアレルギー性鼻炎があると、副鼻腔炎になりやすい。また、繰り返し副鼻腔炎になる人もいます」と菊池医師。

副鼻腔炎の治療は、先述の通り抗菌薬を飲む必要がある。抗菌薬には、細菌を殺して炎症を抑える効果があり、昔は単なる風邪でも抗菌薬が出されていた。

副鼻腔炎、受診のタイミングは?

しかし、今は普通の風邪が細菌感染とは限らないうえ、自然に治ることも多いため、抗菌薬は不要とされている。何より、むやみに飲むと耐性菌が増えたり、いざというときに効かなくなったりするおそれもある。

このことから、風邪をこじらせて肺炎になったとか、副鼻腔炎になったとか、必要な場合にしか処方されない。

「風邪やアレルギーで鼻炎になったあと、1週間以上が経っても黄色や緑のどろっとした鼻水が続いてスッキリしなかったり、顔や額などが痛かったりした場合は病院を受診しましょう。副鼻腔炎をあまり頻繁に繰り返す場合は、治りきっていない場合がありますから、そのことも相談してください」(菊池医師)

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そもそも田仲さんは、どの診療科の、どんなクリニックを受診すればよかったのか、疑問が残っていると話していたが、それについては……。

「患者さんが内科なのか耳鼻科なのか頭痛外来なのか、診療科を選ぶのは難しい。近くに総合診療を行っているクリニックがあればまずはそこを受診し、ない場合はかかりつけの内科で診てもらうといいでしょう。必要に応じて専門医を紹介してくれると思います」と菊池医師。

田仲さんは痛みが出てから病院を探し、1件目の診療所では適切な治療を受けられなかった。こんな目に遭わないよう、いざとなったときに頼れる医療機関を探しておくことは大切かもしれない。

菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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大西 まお 編集者・ライター

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おおにし まお / Mao Onishi

出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な編集担当書は、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、宋美玄 著『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。

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