30代女性を襲った「こめかみの激痛」まさかの正体 受診して痛感した「クリニック選びの重要性」

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副鼻腔とは、鼻の周囲にある8つの空洞のこと。普段、この副鼻腔は「自然口」という出入り口によって鼻とつながっているが、何らかの理由で炎症が起きるとその出入り口がふさがってしまい、どろどろの鼻水や膿がたまってしまうことがある。

これが「副鼻腔炎」だ。別名「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれている。

「画像を見ると、こめかみのあたりが真っ白になっていてびっくりしましたが、ともかくやっと正しい病名がわかって、ホッとしましたね」と田仲さん。

医師から少量のマクロライド系の抗菌薬を処方してもらって飲んだところ、それからは一度も頭痛が起こることはなかったそうだ。「頭痛から解放されてうれしかった」と田仲さん。

およそ3週間後、近くの耳鼻科でX線を撮ってもらったところ、もう白い部分はなく、副鼻腔炎が治っていることがわかったため、治療は終了した。

風邪を軽くみてはいけない

後日、副鼻腔炎の原因についてよく考えてみたところ、激しい頭痛が起こる3カ月くらい前に、鼻風邪をひいていたことを思い出したという田仲さん。

「大したことのない風邪で、しかもずいぶん時間が経っていたので忘れていたんですが、ほかの症状が治まっても黄色い鼻水が出続けていました。あのときちゃんと受診していれば、頭痛がするほどの副鼻腔炎にはならなかったと思います」(田仲さん)

最近では、新型コロナに感染した際にも大量の鼻水が出たそうだ。1週間ほどで症状が治まったが、鼻水が喉のほうに流れる「後鼻漏(こうびろう)」だけ残り、しかも鼻の奥が詰まっている感じが続いたという。

「仕事先でも『声が変』と言われて。あ、これはまた副鼻腔炎になっているのかもしれないと思って耳鼻科を受診したら、やはり抗菌薬を処方されて。このときも薬を飲んだら1週間くらいで治りました。同時に残っていた頭重感もなくなって、スッキリしました」(田仲さん)

この体験によって、田仲さんは改めて心に刻んだことが2つあるという。それは、「風邪を軽くみない」「症状が変化したら受診する」だ。

ただ、どんなクリニックを選べばいいのかについては疑問が残るという。

「やっぱり、クリニック選びって大事ですよね。患者の話をきちんと聞いてくれて、適切な検査をしてくれるところを選ぶべきなんでしょうけど、なかなか近くに理想的なところがない場合もあるし、診療科をどう選ぶかも難しい」(田仲さん)

■総合診療かかりつけ医・菊池医師の見解

総合診療かかりつけ医、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師によれば、副鼻腔炎で受診する患者さんは少なくないという。

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