「周囲が気付かない点を指摘」戦略コンサル思考法 トップ5%の考え方を事例に基づき簡単に解説

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もう少しパラフレーズすれば、思考枠とは「考える前提や範囲、切り口」といった、大げさに言うと思考を規定する「思考のパラダイム」です。何が問題なのか、どう考えるのか、それらがすべて思考枠で規定されます。

だからこそ、思考枠をどう設定するかで問題も答えもまったく変わってくるわけです。そして、トップ5%の戦略コンサルタントには、この思考枠自体の問い方や設定の仕方がうまい人が実に多いのです。

思考枠をいい塩梅にセットアップするのは簡単ではありません。ですが、とりあえず、すでにある思考枠を問いに付すだけであれば、実は誰でも簡単にできます。

「果たして○○が真の××か」

このように、○○があったなら、それが何であれひとまず「果たして○○が真の××か」と言ってみるとよいでしょう。たとえば、このブランドバッグの問題であれば、次のように問いを問うことができるでしょう。

「果たして供給力不足が真の問題なのか」

「果たして待ち時間を短縮することが顧客の真のニーズなのか」

そんな簡単なことで何か変わるのかと思うかもしれませんが、これこそトップ5%の戦略コンサルタントが並外れた成果を上げている秘密の1つなのです。

すぐ手に入ることで失われるもの

先ほどのブランドバッグの例で、「待ち時間の短縮」が課題のように表面上は見えます。しかし、それを解消すればすべてがうまくいくでしょうか。極論で思考実験してみましょう。

仮に待ち時間がゼロになったとします。それによって何が得られますか。逆に何が失われますか。

それを考えたとき、これは微妙な問題かもしれないということに気がつくはずです。得られることとして、すぐ欲しいと思っていた人は買ってくれるかもしれません。

一方で失うことは何か。手に入れるのが困難という希少性です。その希少性はブランドの価値認識に少なからず影響を与え、いつでも手に入る=希少性が下がることで、バッグに感じる魅力が半減する人もいるかもしれません。

つまり、数字面だけで見ても、新規顧客が増える一方で、人と同じような既製品を持つのは退屈だと思い、「職人が手作業で作り、1年待たないと買えない」という希少性にこそ価値を感じている、このブランドの既存の真のファンが離れていくなら、どっちが得か微妙です。

さらに言えば、真の顧客が離れることでブランドの価値が中長期的に毀損されていく可能性さえあります。ブランド価値というのはブランドが決めているわけではなく、顧客が決めているものです。どういう人にどう思われているかがブランド価値の正体です。

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