GIGA2.0でレノボが掲げる文教パソコンの理想型 子供による想定外の使用に耐える製品と教育コンテンツをパッケージ

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文科省の方針や定義が毎年度の補正予算ごとに変わってきた点は、竹内論考でも大きな問題として挙げられている。

現場としては「整備はしたが、運用や活用が定まらない」「トラブルや故障が多くてICTが進まない」というままでは、子どもたちが端末を使う機会を十分に確保できない。レノボとしては、今が端末更新期に差し掛かった自治体や学校にとって“もう一度整備の方法を見直す好機”と捉え、一括サポートを提示した格好だ。

とはいえ、メーカーだけの努力では限界もある。竹内論考が指摘するように、GIGAスクール構想の“定義・ゴール”そのものが曖昧になりがちな以上、文科省や教育委員会、学校現場が連携し、どんな学びを目指すのか明確化しなければならない。

単純に「壊れにくい端末を導入すれば済む」という話ではなく、予備機の運用ルールや家庭学習との連動、AIやログ分析による個別最適化など、次の5年間で実装すべき施策が多岐にわたる。

レノボの提案する「Lenovo GIGA School Edition」は、少なくともハードの堅牢性やタッチペン紛失リスク、予備機や旧端末処理の手間などを一挙に解消し、学校が「故障や管理負担」を理由にICT活用をためらう状況を減らしうる。

デジタル教材や電子図書館をあらかじめバンドルすることで、教員の授業設計もサポートしやすい。1期にあった“導入後の継続運用が大変すぎる”という声への解答として、2期の本格展開に向けた有力なソリューションといえるだろう。

“補助ツール”から“学習の中核”へ

この更新期で自治体や学校がどの端末をどんなサービスと組み合わせて導入するかは、教育現場のデジタル活用を左右する大きなポイントになる。CBTやデジタル教科書が定着すれば、1人1台端末は単なる“補助ツール”から“学習の中核”へと役割を変えていくはずだ。

2期では「活用する環境が整っているかどうか」が子どもたちの学びの幅を決める。壊れにくく、使い続けやすい端末と、それを支えるサポートや学習コンテンツが一体となれば、GIGAスクール構想は単なるハード整備に終わらず、教育の質を一段引き上げる土台となる。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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