GIGA2.0でレノボが掲げる文教パソコンの理想型 子供による想定外の使用に耐える製品と教育コンテンツをパッケージ

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また、従来のアクティブペンに代わる選択肢として、2B以上の鉛筆で画面に直接書き込める「ペンシルタッチ機能」や、600円程度の専用「ハードペンシル」を用意し、紛失時の保護者負担を大幅に軽減している。

レノボ
2つの機種では鉛筆で直接書き込める機能を搭載。タッチペンを紛失した際の学校側の金銭的な負担が抑えられる(筆者撮影)

ほかにも毎日ランドセルに入れて運ぶ小学生を想定し、バッテリー交換をしやすい構造を一部モデルに採用するなど、5年間しっかり稼働させるための工夫がなされている。端末のスペックも文科省が示す最低要件より上を搭載し、CBT(コンピューター上で行うテスト)やデジタル教科書で負荷が高まる将来の活用シーンにも対応できる余力を持たせた。

レノボ
5年間の使用を想定し、文科省の要件よりも一段階高いスペックに設定(筆者撮影)

一方で“運用サービス”の強化も大きな柱となる。GIGA2.0では端末の15%を予備機として補助金対象にできるが、学校に数十台~数百台の予備機を保管するとバッテリー劣化の管理や倉庫スペースが問題になる。そこでレノボ側が預かり、定期的に充電することで常に使える状態をキープし、必要時には迅速に貸し出す仕組みを整えた。

既存端末の回収・リサイクルにも対応し、廃棄処分の費用や個人情報保護の手間を軽減する。

電子図書館やデジタルドリルなどの学習コンテンツをセットにするのも特徴だ。ポプラ社や進学社などと協業し、端末導入後すぐに活用できるように準備する。こうすることで、「ハードだけが整っても教材や授業の準備が追いつかない」という1期の課題を解消しようとする狙いがある。

レノボ
デジタルドリルやプログラミング教材も収録(筆者撮影)

更新期がもたらすチャンス

このような包括的アプローチの背景には「GIGAスクール構想」自体が年々変容し、領域を拡張している現実がある。

当初は1人1台端末と高速ネットワークの整備というハード寄りの計画が、コロナ禍を経て家庭学習のオンライン化、教員用のICT研修、デジタル教科書やCBT、不登校支援のメタバース活用など、次々と新たな要素を取り込みながら動いてきた。それに伴い、1期の性能や運用設計では対応しきれない新しいニーズも出てきている。

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