GIGA2.0でレノボが掲げる文教パソコンの理想型 子供による想定外の使用に耐える製品と教育コンテンツをパッケージ
まずはGIGAスクール構想1期の課題を振り返ってみたい。参議院事務局企画調整室の資料(竹内健太『GIGAスクール構想』とは何か~意味内容の変化と文部科学省に求められる対応~ 2023年1月)によると、2019年末に補正予算で1人1台端末と高速ネットワークの整備がスタートした当時、文部科学省の説明は主に“ハード面”が中心だった。
その後、新型コロナウイルスの拡大を受けて一気に整備が加速し、短期間で全国の小中学生に端末を配備する“突貫工事”的な形となった。
端末を短期間で行き渡らせたこと自体は大きな前進だったが、1期には想定外の故障やマルチタスクに耐えられないスペック不足、予備機の不足などが露呈。小学生が鉛筆をUSBポートに差し込み発煙事故が起きた事例もあり、5000円ほどするアクティブペン(専用のタッチペン)の紛失が相次ぐなど、保護者や教員に負担がのしかかった。
また、文部科学省が年度を重ねるごとに構想の目的や範囲を拡張し続けたため、「GIGAスクール構想の定義やゴールが曖昧になっている」という指摘もあった。現場にすれば「どこまで対応すればいいのか」「具体的に何を目指すのか」が読み取りづらい面があったというわけだ。
GIGA2.0に向けた総合パッケージ
このような1期の課題を踏まえ、レノボが掲げるのが「GIGAスクール構想2.0」だ。ハードウェア3機種(Chromebook 2種、Windows 1種)を軸に、運用サポートや学習コンテンツまでを一括提供する「Lenovo GIGA School Edition」を打ち出し、“壊れにくい×使いたくなる”をキーワードに掲げる。
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端末の堅牢性では、MIL規格(アメリカ軍調達基準)を上回る22~24項目の独自耐久テストを実施、9H硬度のゴリラガラスを採用する。
そして、1期の課題でも特に深刻だったのが、児童生徒の予期せぬ扱いによる故障だ。レノボは従来のMIL規格落下テストより厳しい独自基準を適用し、USBポートに鉛筆を挿してしまうようなケースでも過電流が起きにくいようヒューズ保護を強化した。
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