ChatGPTをビジネスで活用する5つのテクニック 生成AI活用のカギは「指示の技術」にあり。その具体例を紹介

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マルチステップ指示のプロンプト例
(1)「ターゲット顧客の課題を5つ挙げてください」
(2)「上記の課題を踏まえた新製品のアイデアを3つ出し、それぞれのメリットを示してください」
(3)「それらのアイデアについて、おおまかなコストと収益モデルを比較してください」
(4)「最終的に、どれが一番効果的か判断し、その理由を簡潔に述べてください」

ステップごとに出力を確認し、「もう少し数値を入れて」「想定する導入企業の規模を変えて」などの追加指示を行えるため、最終アウトプットを高い精度で仕上げられる。

複雑なタスクは対話機能を使って、順番に深めていくと具体的な解決策が得やすくなる(筆者によるスクリーンショット)

テクニックの組み合わせ例

単独でも十分役立つが、複数のテクニックを組み合わせると、より高度な活用が可能になる。例えば、大きな新規事業を検討するときに以下の流れをイメージしてみるとよい。

(1)ゼロショットで簡単にアイデアをリストアップし、方向性をざっくり確認する。
(2)チェーン・オブ・ソートを用いて市場状況や競合分析を段階的に整理する。
(3)ロールプレイで「あなたは法務の専門家」「あなたは人事部長」と役割を切り替え、別の視点からのリスクや組織面の課題を洗い出す。
(4)フューショットで、過去の成功事例を例文として示し、提案書や企画書を同じテイストで仕上げる。
(5)マルチステップ指示でプロジェクト全体を段階的に詰め、都度微調整を重ねながら最終プランを完成させる。

こうした合わせ技を使えば、短い時間で多角的なアプローチを得られるうえ、文章の質や論理性も高めやすい。単なる文章生成のツールとしてだけでなく、仮想コンサルタントやブレーンストーミングパートナーとして機能させられるのがChatGPTの強みだ。

ChatGPTの出力は、どのようなプロンプトを与えるかによって大きく変わる。シンプルな依頼だけで完了させたいならゼロショットでもよいが、文体やスタイルを統一したいならフューショットが向いている。複雑な課題に対して論理性を重視するならチェーン・オブ・ソート、専門家の視点を借りたいならロールプレイを、段階的に内容を磨きたいならマルチステップ指示を試してみるとよい。

テクニックを組み合わせれば、ChatGPTは単なる文章生成ツールを超えた頼れるビジネスパートナーになる。まずは小さな業務から始め、使い方に慣れてきたら大規模なプロジェクトや新事業の立ち上げにまで応用してみてほしい。きっと、これまでとは違うスピードと質で、仕事を前に進められるはずだ。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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