ChatGPTをビジネスで活用する5つのテクニック 生成AI活用のカギは「指示の技術」にあり。その具体例を紹介

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1.ゼロショット (Zero-shot):条件を追加し、曖昧なアウトプットを避ける

ゼロショットとは、ChatGPTに対してほとんど追加情報を与えずに依頼する方法だ。例えば「以下の文章を3行で要約してほしい」といったように、最小限の指示だけを提示する。

このやり方は素早く結果を得られるが、前提や文体に関する要望を省略すると、思いがけない文調やスタイルになることがある。そこで、あらかじめ条件を整理して伝えるだけで、狙いに合った仕上がりを得やすくなる。

ゼロショットのプロンプト例
「次の文章をビジネスメール用に書き直してほしい。以下の条件を必ず守ってください。
・フォーマルな文体にする
・敬語表現を使う
・150~200文字にまとめる
<本文>…」

このように「文体」「敬語」「文字数」などを指定しておけば、初回から完成度の高い文章が得られやすい。ちょっとした要約やメモの整形など、短時間で済ませたい作業に向いている。

指示項目を箇条書きにしておくと意図が伝わりやすい(筆者によるスクリーンショット)
2.フューショット:文章の“型”をトレースさせる

フューショット(Few-shot prompting)は、複数のサンプル文をチャットAIに提示して、その文体や構成を参考に文書を生成させる方法だ。ゼロショットと違い、「どのような文体を期待しているか」をはっきり例示できるため、複数バージョンの文章を作成するときにとても便利である。

例文のスタイルを“手本”として与える

例えば、新規顧客への挨拶メールを量産したい場合、過去に使った2~3通のメールをサンプルとして見せて「このスタイルで別の文面をもう1通作ってほしい」と指示する。すると、サンプルの文体や語彙を反映した文章が生成されるため、仕上がりにばらつきが生じにくい。

フューショットのプロンプト例
「以下の形で新規顧客向けの挨拶メールを作りたい。例文を2つ載せるので、同じ文体や構成を参考に、新しいバージョンを1通書いてほしい。
例文1
『拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます…(中略)…敬具』
例文2
『拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます…(中略)…敬具』」

このように例文のスタイルを“手本”として与えれば、文体や段落構成が類似した文書をスムーズに作れる。定型メールやマニュアルの作成など、複数の同系統文書をそろえたい場合に有効だ。

メール作成などでは例文を示しておくと良い結果が得られる(筆者撮影)
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