エロ詩吟から岩手の人気者に「天津木村」の現在地 「中年の危機」で不安になるも決めた移住の覚悟

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天津木村さん
移住先の岩手県で活躍する"天津木村"こと木村卓寛さん(左)(写真:筆者撮影)
2000年代後半の一発屋芸人ラッシュの時代、下ネタと詩吟を融合させた“エロ詩吟”でブレイクした"天津木村"こと木村卓寛(きむら・たくひろ)さんをご存じだろうか。
当時、一躍、人気者となったが、ブームが去ったあとはアルバイト生活に。その後、縁もゆかりもない岩手県に家族で移住し、今やローカル局で冠番組を持つまでになっている。
「人生100年時代」の今、40代で再び輝く木村さんの歩みはビジネスパーソンにとっても学びが多いだろう。そんな「天津木村的キャリア」を前後編でお届けする。
【後編】芸人・天津木村が岩手で広げた"新境地"の充実感

新天地・岩手で"朝の顔"に

かつてはピンクの和服に身を包み、男女の夜の営みを吟じていた木村さんだが、2021年からは岩手朝日テレビの情報番組『GO!GO!いわて』でメインMCを務め、土曜日の朝、約2時間の生放送を担当。

ビジネスカジュアルのジャケットにメガネ姿で時折、局のアナウンサーにツッコミを入れながら、安定感のあるMCぶりを発揮している。

人気があるのは、「天津木村のどっかええトコありますか?」というコーナーだ。木村さんが岩手県内33市町村のいずれかを訪ねて市町村長にインタビュー。おすすめされたスポットや特産品の製造現場などをアポなしで訪問し、地域の人たちと触れ合うもので、地方局らしいのんびりしたロケ企画だ。

木村さんが偶然出くわした地域住民に声をかけて立ち話をする中で、その人の仕事や思わぬ特技、さらには地域に昔から伝わる風習や歴史などを引き出していくのが見どころ。関西弁の"ヨソモノ"ならではの視点で、岩手県民も知らない地域の奥深さや人情味に光を当てるコーナーなのだ。

当初、「33市町村を1度訪問したら終了する予定だったが、視聴者や訪問先の自治体から好評だったため、2周目に突入している」(岩手朝日テレビ番組担当者)という。

【写真】岩手のローカルテレビ局で人気者になっている天津木村さん(5枚)
木村さん
木村卓寛(きむら・たくひろ) / 1976年生まれ、兵庫県出身。NSC大阪校21期で、1999年2月に天津飯大郎さんとお笑いコンビ「天津」を結成。下ネタと詩吟を融合させたエロ詩吟で2008年にブレイクし、決め台詞の「あると思います」が2009年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた。2021年から岩手県に家族で移住し、岩手朝日テレビの新番組『GO!GO!いわて』のMCなどを務める。2025年3月29日には天津単独ライブ「天津ロード~ちょうど4年前に~」を盛岡劇場で開催予定(写真:筆者撮影)
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