東大生語る「アイス売れると水難事故増加」本当か 「因果関係」を正しく理解することが大切だ

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東大 西岡壱誠
(写真: mits / PIXTA)
似ている言葉の意味の違いや、数字にだまされない方法など、日常生活にあふれる情報を、東大生はどんな視点で読み取っているのでしょうか。『東大視点 ものごとの本質を見抜くための31の疑問』を上梓した東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんが、因果関係を読み解く大切さをお話しします。

因果関係を読み違えていないか?

「朝ごはんをしっかり食べている子どもは、成績がいい」と聞くと、みなさんは安易に「朝ごはんをしっかり食べている“から”、成績がいい」と脳内で読み替えてはいませんか?

実はこれ、とても危険な思い込みなんです。

原因があって、それによって結果が生じるという関係を「因果関係」といいます。

例えばあるお店の、日ごとの来店者数を調べてみると、雨が降っている日は来店者数がかなり少なくなっていることがわかったとします。このとき、「雨が降る」ことと「そのお店の来店者数が少なくなる」ことには因果関係があると言えます。

「雨が降る」ことが原因で、お客さんが外出を控えるようになり、「来客数が少なくなる」という結果が生じているわけですね。

一方で、「Aが増えるにつれ、Bが増えている」というように、2つの値の間に関連性があるような関係を「相関関係」といいます。

「Aが増えるにつれ、Bが増えている」という関係を正の相関関係、反対に「Aが増えるにつれ、Bが減っている」という関係を負の相関関係といい、いずれにせよ「どちらかの値が増減するとき、連動してもう一方も増減している」という関係を表すのが相関関係です。

この相関関係というのは、因果関係とは異なり、AとBの間に「原因と結果」の関係がある必要はありません。見た目の数字、現象として増減が連動しているだけで相関関係が認められるので、必ずしもそこに「Aが増えた“から”、Bが増えている」という「因果関係」があるとは限らない、ということです。

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