日産「AD」生産終了で噂されるリストラの真実 プロボックスのライバル、40年以上の歴史に幕
日産自動車(以下、日産)の商用バンである「AD」の生産が、今年10月で終了するという。ADは、乗用車でいう5ナンバー車格の商用ステーションワゴン型のバンで、競合ではトヨタ自動車(以下、トヨタ)の「プロボックス」がある。
生産終了の件については、新聞などで国内でのリストラ(リストラクチャリング=再構築)の一環としてとする報道があるが、日産広報によれば、それとは別の事情によるとのことである。
姿を消していくステーション
乗用車でも、背の高いワゴン車(ミニバンを含め)や、SUV(スポーツ多目的車)の人気が高い一方で、昔ながらのステーションワゴンは選択肢が減っている。今、販売されているのは、トヨタの「カローラツーリング」、スバルの「レヴォーグ」しかない。輸入車でもステーションワゴンが本場のアメリカでは、いまやSUVに圧倒されて選択肢は限られつつある。
欧州では、かつてステーションワゴン人気が沸騰したスウェーデンのボルボでさえ、「V60」と「V90」は残されているが、電気自動車を含め主力はSUVやクロスオーバー車へ移っている。
それでもメルセデス・ベンツやBMWなど含め、欧州車にはステーションワゴンが残り、フォルクスワーゲンは「パサート」をステーションワゴン専用車種とするなど、選択と集中のなかでステーションワゴンを残す動きが欧州にはある。
日米に比べ、走行速度の高い欧州では、背の高さによる室内の広さより、高速走行安定性に優れるステーションワゴンへの期待がまだ残されているようだ。とはいえ、欧州もSUVやクロスオーバー車が人気を高めているのは事実である。
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