日産「AD」生産終了で噂されるリストラの真実 プロボックスのライバル、40年以上の歴史に幕

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そうした市場動向を受け、国内では軽自動車でもスーパーハイトワゴンが新車販売の上位を占める状況が何年も続いている。そして、宅配便など含め、商用のハイトワゴンが街にあふれている。

商用としてはもちろん、乗用としても人気の高いトヨタのハイエース
商用としてはもちろん、乗用としても人気の高いトヨタのハイエース(写真:トヨタ自動車)

登録車の商用では、ブランド化しているトヨタの「ハイエース」のほか、日産では「キャラバン」がよく見かける商用車の1台ではないか。また、そのひとつ下の車格となる「バネット」も、乗用車での5ナンバー車格のワゴン型商用車として、堅調さを維持しているだろう。

背が高く、積載容量の多さが売りで、しかも荷物の出し入れに際し体を大きくかがめずに済むワゴン型のバンは、今後もラストワンマイル的な物流を含め商用車需要を牽引していくのではないか。それに比べ、ステーションワゴン型の商用車は、選ばれにくくなったのだろう。

これまで、商用バンは、乗用のステーションワゴンとの共通性によって販売台数を維持してきた経緯がある。プロボックスは、商用専用車種だが、販売店舗数、販売台数で他を圧倒するトヨタであるからこそできることではないか。

日産の商用バンADの歴史

1982年に発売した初代「ADバン」
1982年に発売した初代「ADバン」(写真:日産自動車)

日産のADは、1982年に初代が誕生した。もとになったのは、B11と型式で呼ばれる5世代目の「サニー」だ。それまで後輪駆動だったサニーを前輪駆動へ変更した車種である。

また、サニーには、「サニーカリフォルニア」と名付けた乗用のステーションワゴンがあった。ただしADは、業務用の商用バンとして、後席のドアより後ろとなる荷室や、屋根の形が専用となっている。それにより、全長は15cm短く、車高は10cm高かった。またリアサスペンションも、荷物を積むことを前提に、より頑丈なリーフスプリングを使うリジッドアクスルとしている。

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