トヨタ「カムリ」国内販売終了に見るセダンの行方 アメリカのベストセラー車も日本では振るわず
トヨタの中型4ドアセダンである「カムリ」が年内に販売を終えるとの情報が公になった。トヨタ広報によれば、「北米を含めほかの地域に影響はなく、継続して販売される」とのことだ。つまりカムリが販売を終えるのは、日本市場での話である。
消えゆく4ドアセダンたち
カムリとほぼ同格といえるトヨタの「マークX」も、2019年末をもって生産が終了となった。また、トヨタのプレミアムブランドであるレクサスの「GS」も、2020年に販売を終えている。トヨタ「クラウン」やレクサス「LS」のような最上級車種のひとつ下の車格で、より身近な4ドアセダンとして消費者に親しまれてきたクルマが相次いで販売を終えることになった。
ほかの自動車メーカーでも、カムリに近い車格の日産「ティアナ」が2020年に販売を終えている。ホンダ「アコード」は健在だが、日本自動車販売協会連合会(通称・自販連)の乗用車ブランド通称名別順位で50位以内に車名はない。
スバル「レガシィ」が40~50位に顔を見せるが、現在のレガシィは、「アウトバック」と呼ばれるSUV(スポーツ多目的車)しか国内では販売していないので、4ドアセダンの話題に加えることはできない。ただし、インプレッサをもとにした「WRX S4」はまだ残っている。「マツダ6」は、4ドアセダンとステーションワゴンがあり、これもセダンかワゴンかを問わず、自販連の50位以内に車名が出てこない。
国内市場は、4ドアセダンの販売が思うに任せない状況にある。人々の関心は、軽自動車から3ナンバー車まで、SUVかハイトワゴンに偏っている。
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