レビューは賛否なのに大人気のホラーゲーム 遊ばなくても楽しい? 評価の二極化が示すゲーム市場の変化

特に「ハギーワギー」と呼ばれる青いキャラクターのデザインが秀逸で、このシリーズの代名詞といえる存在になっている。以前執筆した『スプランキ』の記事でも触れたが、マスコットホラーと呼ばれるジャンルの代表作といえるだろう。
また、ARG(代替現実ゲーム)を仕掛けているのもポイントだ。
代替現実ゲームとは、日常生活にゲームの要素を盛り込むというもの。たとえばインターネット上に奇妙なサイトが公開されていて、それを調べるとゲームの新情報が明らかになるなど、特別な仕掛けがゲーム外に用意されているものだと考えてもらっていいだろう。
残念ながら日本向けではないのだが、現実に『ポピープレイタイム』に関する謎解きが発生し、アメリカのどこかに特別なメッセージが埋められているといった仕掛けが用意されていたようだ。
そうして明らかになった新情報をインターネット上で共有したり、あるいは設定をファンが考察するなどして、新作が出るまでの合間を埋めるように盛り上がりをキープした側面もある。

『ポピープレイタイム』はかなりの人気で、モバイル版の偽物が大量発生するほどの事態にもなっている。日本では東京スカイツリーのソラマチでポップアップストアが開催されるなど、海外ほどではないにしても確実に支持を得ているといえよう。
誰もが手軽に遊べるゲームとは言い難い

しかし、『ポピープレイタイム』は日本においてなかなかハードルの高いゲームである。なぜそういったゲームが人気になるのかといえば、もともと人気になる素質を持っているのはもちろんだが、むしろそのハードルの高さこそひとつのポイントとなる。
『ポピープレイタイム』はチャプター3から日本語が収録されているが、それまではそもそも英語でプレイするものだった(現在はアップデートにより過去作も日本語に対応している)。また、いまでこそ家庭用ゲーム機やモバイル端末でもプレイできるが、基本的にPC向けバージョンが先行して配信される。
モバイルでたくさんの偽物が出たのも道理で、人気と需要はあったが環境の問題でプレイできない人も多かったわけだ。

そして、もうひとつのハードルとなるのが主観視点のゲームであることだ。たとえばマリオのゲームの場合、マリオが画面に映っている三人称視点になるわけだが、主観視点の場合は現実のように自分の視点から見たかのような体験になる。要するに自分が見えないわけだ。
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